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Diary

ワダケンジ

ワダケンジ

http://www.whatisdesign.jp/

コンセプター。オランダDesign Academy EindhovenにてDroog Designハイス・バッカー氏に師事(MA)。広告代理店勤務後、Drawing and Manual外部プランナーを経て、(株)デザインの研究所を創立。「MEANING DESIGN/意味のあるデザイン」を理念にコンセプトを創造し、企業としてのあり方に深みを与え、社会に提示しつづける。




僕はひとりで外食をすることができない。

2015年01月30日 

おひとりさま、というフレーズを最近良く聞く。
が、僕は全くの「非・おひとりさま」で、ひとりで外食ができなかった。
できなかった、と書いたのは最近少しはできるようになってきたからなのですが。

ひとりで行く事ができるのは、牛丼の吉野屋とマクドナルドくらいで、
ラーメンは基本的に無理で、バーも知り合いの店員がいないとひとりで入るなんてもってのほか。
カフェはコーヒーだけで仕事があれば入れます。ひとりランチ絶対に無理。
ひとり映画?ならその映画の存在自体を忘れます(笑)。

一番大きい理由は、素直に「つまんない」から。
そして「寂しい」、これもあると思います。
ひとりで食べているのを見られるのも嫌。
要は、ひとりでご飯を食べたりする事に全く利点を感じていないし、意味もないと思っている。
だから一向におひとりさまを楽しむ事ができないままでいるのです。

こういった固定された価値観を打ち壊すには、無理矢理環境を作るしかないのです。
以前、「嫌いな人と差し飲みをするブーム」という時期が個人的にありまして、
この人とは合わないだろうな、という人をわざと指名して差しで飲む。というだけの事なんですが
これがなかなか面白く、最終的にはかなり仲良くなって終わるのです。
お酒の力も多いにあるとは思いますが、持論には「嫌いと好きは紙一重」、
つまり「嫌い」という時点で、何かしら自分とカブる部分があったり、自分が出来ていない所を相手がやっていて、それに劣等感があったりする。だから「無関心」ではなく「嫌い」となるわけで。

3人以上だと、嫌いが嫌いのままなのでダメ。
敢えて嫌いな人と面と向かって飲むことで初めて、嫌いが好きになるのです。

という事はできるのに、まだまだひとりでご飯が食べられないチキンな僕。
会社の同僚は、むしろひとりご飯の方が好きな位で、ひとり映画もスマートにこなす、おひとりさまエキスパート。
そんなエキスパートが「回転寿司だったら、結構ひとりの人多いから行ってみたら?」と言い放った。
いや、絶対無理無理無理・・・・。とその時は返したのだが、ひとりランチをしなければいけないタイミングはしばしば訪れる。その度にテイクアウトをして事務所で食べてごまかしてはいたものの、我が事務所がある恵比寿には、おしゃれな飲食店は沢山あるのにテイクアウト事情が壊滅的な場所なのだ。
一番お世話になっていたブリトー屋も去年閉店した。

こうなると残された道は、池に飛び込むしかない。
確か回転寿司だったら・・・と言っていたなと思いつつ、時間も遅めだったからそこまで混んでいないだろうと寿司屋の暖簾をくぐると、韓国人の店員さんが「いらしゃいませー」と。
回転寿司自体は何回も行っているし、好きなので勝手はもちろんわかっている。
一皿目は勇気がいったが、それを食べ終え、二皿目を何にしようか悩んでいる時にふと思った。
「ひとりだと、どれだけでも悩める・・・。これか?独りの醍醐味とは。」
食べるスピードも気を使わなくても良いし、好きな物を好きなだけ時間をかけて食べられる。
頼まないでガリをつまみながらお茶をゆっくり飲む事もできる。
元々、相手に合わせて急いで食べるのが嫌いな僕にとっては、オアシスのように感じられた。

それからというもの、回転寿司はひとりで行く方が好きになった。
一人で行った方が楽しい場所があるという経験をした僕は、ひとまずおひとりさま恐怖症からは解放された。

カウンター寿司をひとりで、は遙か彼方の話だと思いますが、
次はラーメン屋にチャレンジしたいと思います。

今日はハーブティーを飲みたい気分なのである。

2014年11月30日 

風邪をひいて熱が出た。
熱が出たので、安静にと日曜日は家で過ごした。

そんなには寝てられないのでソファーでくつろぎながらテレビを見る。
テレビでは、イギリス人の初老の女性が日本の自宅の庭で取れたハーブを解説しながら
ハーブティーを入れ、嗜んでいる。日本の田園風景と古びた平屋に対して外人女性とイギリスの茶器が、妙なコントラストを生んでいるのが印象的でついつい見入ってしまっていた。

番組では、様々なハーブをひとつづつ紹介し、どんな歴史や背景があって、これはどういう効能があるなどひとつづつ丁寧にイギリス訛りの英語で語っていく。
タイム、バジル、フェンネル、レモンシード、ラベンダー・・・。
解説の最後には必ず、茶器にお湯を入れてハーブティーとして飲む。

何でもお湯を入れればハーブティーになるのか、などと思いながらゆっくりと時間は過ぎる。
幾つか見ていくと、それぞれのハーブに医療的な効能があることがわかる。
免疫力を高めたり、強壮剤に使われていたり、血糖を下げる役割など。
昔の人は、これらを薬代わりに使ったのだというお決まりの語りではあるがまさに弱っていた自分にとっては、その情報が体にすーっと入ってきた。

元々薬なんてなかった時代だから、ハーブは重宝された。

僕はコンセプトを作る仕事をしているが、
作るそれ自体にはヴィジュアルがない。文字だけの場合が多い。
だから、コンセプトを基に作られるデザインには非常に重きを置いている。
コンセプトなんて、形がなければ無意味の長物であるとさえ思っている。

デザインはユーザーによっては薬になる。
特にビジネスシーンでは。
目に入っているイメージを変えることは、見る人に驚きを与え、気分を高揚させる。
デザインというのは、素晴らしい効能がある。
そう思っていたし、今でも間違っていないと思う。

が、今日はそうは思えない。
元々薬がなかった時代だから、ハーブが重宝された。
弱っている今の自分には、なんとなく薬ではなくハーブの気分。
様々なヴィジュアルに驚かされたいのではなく、じわっと効く小説を読んで、頭の中でイメージを膨らませたい気分。

時には今日の僕みたいな、そういう気分のユーザーもいるのではないかと思うのだ。
WEBを見ていても、やはり目が行くのは写真だし、ずっと文字ばかりだと飽きてしまう。
でもそれは、僕自身のイメージの欠落を意味している。
飽きる自分を作ってしまっているのだ。
文字だけでも充分にイメージは湧くし、カメラや印刷技術がなかった時代でも楽しんでいた人は大勢いる。昔と今で人間の構造は全く変わらないから尚更だ。

今日はハーブティーを飲みたい気分なのである。

等間隔フェチ -Contextualized Objects vol.2-

2014年10月31日 

我が家には、衣替え用の衣装ケースが4つほどある。
それぞれの引き出しの取手部分にガムテープにマジックで「冬服1軍」とか「2軍」などと書いてあります。
4つめのケースには「捨てる予備軍」という名前が書いてあり、次のシーズンまでに着なかったらそのボックスの中身をまるっとゴミ袋に入れて、捨てます。どんなに思い入れがあっても確認せずにドサっと。確認すると、やっぱり・・・という事になるのが関の山なので、キッパリお別れをします。
本当はリサイクルに出したりすれば良いのだろうけど、僕の中では物との清い別れも「ほら、お前は使わなかったじゃないか」と自分に戒めるために大切な行事としています。

前回書いた「物の生き様」というテーマがどうやら性に合っているようで、ひとまずネタが尽きるまで
これで連載をしてみようと思います。マークスさんはやはりデザインメーカーさんですし(笑)。

 

僕は物を等間隔に並べるクセがあります。
それが僕だけだと分かったのはオランダ留学時に友人が下宿先の部屋に入ってきて、
「ケンジの部屋はいたるところで物が等間隔に並んでいるな。」と言われたの時でした。

雑貨から日常使う殺虫剤の缶とかまで等間隔に並べると生活観がなくなって、どことなくオブジェ的な感じに見えるので、いつもそうしています。棚の中は仕事で使うペンとかが並んでてこんな感じ。DSC02278

DSC02279

 

いつも使うものを敢えてスペースを取って並べて展示しておくと、毎回そこにしまえば良いし、生活観のある物でも生活観が一定に消えるので、おすすめです。DSC_0033.JPG

 

外出してもついついそういう光景があると写真を撮ってしまうらしく(笑)。
これは友人のお宅にお邪魔して、飲み会が終わったあとにグラスを洗って拭いて並べてる人がいたので。
L1010489

DSC_0283名古屋名物ういろうも、食べる前に等間隔に並べてみたけど、とくに美味しそうにも見えず、ただ食材がこうやって並んでいる光景はあまりないのでなんか奇妙な感じがしました。

 

L1010091
木材屋さんの壁に飾られていた絵ですが・・・換気扇も絵として見てくれ!ということでしょうか(笑)。

 

IMG_0494
韓国の路上には、見事にグレートーンでまとめられたプランター(全部枯れてました)が良い感じで並んでます。これは今見ても非常に絵になっていて、等間隔フェチ心をくすぐります。

物の使い方以前の「置く位置」。
それひとつ取っても意外に楽しみ方は広がるものです。
是非目の前にある物、等間隔に並べて見てくださいね。

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Authors

加藤 孝司加藤 孝司
水島 七恵水島 七恵
野本 哲平野本 哲平