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民具木平の市場調査 第18回 12 タオルハンガー ”12 Towel Hangers”

2016年11月30日 

今回のダイアリーでは、2016.11.1(tue)-11.13(sun)に神宮前のユトレヒトで開催された Teppei Nomoto 「Civil Engineers」から、新作11点をふくむタオルハンガー12点のアーカイヴ写真を一挙にアップします。

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2121デザインサイトで行われた「雑貨展」出展作品「雑種採集」より、赤のタオルハンガー。非売品。

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白のタオルハンガー。こちらはコンタクトレンズを入れたりする際にちょうど便利なサイズのポップアップミラーを備えたモデル。

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ステレオタイプの黒のタオルハンガー。白いグリッドにボルドーのラインが効いていてとてもかっこいいモデル。

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ZOOというメーカーがベースとなったモデル。絵に描いたような典型的なモノラルタオルハンガー。安定感のある紫とピンクの差し色。

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本体が木目の家具調タオルハンガー。北欧のインテリアにも合いそう。女性に人気がありました。

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斜めに書かれた A・U・T・O・S・T・O・P の文字がシティポップ感あふれる赤色のタオルハンガー。

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コンパクトではあるが猛々しい雰囲気の、アメリカの西海岸の男の子の部屋にありそうなタオルハンガー。

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もはや、タオルバーすらついていないタオルハンガー。ウォールシェルフという表現が適切だろうか。

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今回一番人気のモダンなシルバーモデル。

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「雑種採集」の赤のタオルハンガーと同モデル、黒×ナラのヴァージョン。色と樹種が変わるだけで印象もがらりと変わる。

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ニュースクールな玄人好みなモデル。

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ポップな赤のステレオタイプ。

自分のなかの野生

2016年11月20日 

先日、山形を訪れました。

現在、発売中の雑誌GINZA( No. 234)の特集記事の取材のために。
写真家・志鎌康平さんの案内による山形の野生、営みを体感したいために。
前者は仕事。では後者はというと、
メインビジュアルの強さだったのか。
そのビジュアルを撮影した山形在住の志鎌さんとの出会いが大きかったのか。
きっと両方が影響していることは間違いない。
世界は存在しているのではなく、見るから存在している。
見る人の視点によって世界が変わるなら、
志鎌さんの目線で、私も山形を見れるのならきっと面白い!
まさに縁を感じながら、志鎌さんを紹介してくれた
友人で山フーズを主宰する小桧山聡子さんと山形を訪れました。

 

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山形に訪れてまず新鮮だったのが、四方八方、山に包まれるという感覚でした。
18歳まで育った新潟での暮らしで山のある風景には
慣れているつもりだったけれど、
360度、どこを見渡しても山のある風景は初めて。
それに新潟の山々とは違い、山形の山々の稜線はどこまでも穏やかで。
 そしてこの山々こそが、山形の野生であり人々の営みと文化を作り出していました。

 

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出羽三山をご存知だろうか。
羽黒山、月山、湯殿山、3つの山を総じた出羽三山は、
古くから山岳信仰の場として知られ、今も多くの人たちが参拝に訪れる、
いわば山形のパワースポットです。

今から約1400年前、第32代宗峻天皇の王子が羽黒山を開いたのが
出羽三山の始まり。羽黒山が現在、月山が過去、そして湯殿山が未来、
と、時を表し、三山の参拝は江戸時代に庶民の間では『生まれかわりの旅』
として広がり、地域の人々に支えられながら、その旅は今も守られてきました。

その羽黒山に私たちは今回登ってみることにしました。

山頂に至るまでの距離は約2km。
参道には樹齢300〜600年に及ぶ老杉が生い茂り、
山頂まで続く石段は2446段。
道中、東北では最古の五重の塔がそびえ立ちます。
腑に落ちる。とはこういう時使う言葉なのかもしれません。
羽黒山の入り口に、一歩足を踏み入れた瞬間に、
自分の中の一番奥深い部分、内の世界と外の世界がピタリと
つながるような感覚がしました。
それはきっと日本古来の、山の自然と信仰の姿を見たからなのかもしれない。
私の血が覚えているその姿は、私の中に備わった野生でもありました。
理屈では言い表せないその感覚を頼りにしながら、石段をひたすら登った先に、
山頂の赤い鳥居がありました。

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くぐった先に、霧で覆われた一面の中に、
羽黒山、月山、湯殿山の三神合祭殿がうっすらと見える。
まずはそこで参拝をした後、辺り一面をじっと見渡すと、
山伏が滞在する長床なども含め、

自然の地形に応じて建物が配される山岳寺院特有の景観が広がっていました。

 

Processed with VSCO with f2 preset

 

この場所でこれまでどれだけの人が祈ったのだろう。様々な想いと背景を抱えながら。
人の痛みも喜びも歴史も全て受け取めながら、羽黒山は粛々とその姿をつないでいました。

 

 

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宿泊した農家民宿、知憩軒の女将からの一言は、今も心に携えている。
「語るなかれ、聞くなかれ」。
出羽三山のなかでも特別に神秘的な山、湯殿山のことをこう言い表すのだと言います。
現世利益の御神徳にあずかる羽黒山。
山頂で大神を参拝して死後の浄化を受ける標高1984mの月山。
そして大神より新しい生命を賜って生まれ変わる湯殿山。
「現在」は今回の旅で確かめました。
次は過去、そして最後は未来、湯殿山を目指したい。
滝や巨大な岩など、自然の森羅万象に人間の意志を超えた生命の神秘を感じとって
生きてきた私たちの祖先。その血は今もなお私の身体を巡っています。
合理性が求められる現代社会。
傍らではきっと大切なものが溢れおちてしまっている。
その危機感のようなものが、本能的に私を山形に運んでくれた。
ふと、そんな気がしました。

 

Processed with VSCO with f2 preset

山々に包まれながら、自分の中の野生が、大きく揺さぶられた。

 

 

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ドキュメンタリー映画の方法論について、あるいはその不可能性について。ホンマタカシ氏インタヴュー 〜前編〜

2016年11月10日 

After 10 years
(C)Takashi Homma New Documentary

12月10日より、写真家ホンマタカシ氏による4作品からなるドキュメンタリー映像作品の特集上映が渋谷のシアター・イメージフォーラムで始まる。ニュードキュメンタリーとは、これまで写真作品を題材にホンマ氏が取り組んできた写真のテーマ、あるいはコンセプト。今回、映像作品におけるニュードキュメンタリー、また、映像作家としてのその方法論についてお話を伺った。

ドキュメンタリーの不可能性をめぐって。

ーーホンマさんはこれまで写真作品と並行して、いくつかの映像作品を手がけてこられましたが、今回の特集上映にこれらの4作品を選んだ理由を教えてください。

通常は1本上映するのが当たり前だと思うんだけど、今回は入口として新しい形式のドキュメンタリー映画を作れないかという思いがあって、それでいろんなスタイルのドキュメンタリー映画を4本同時に上映するということにしました。作業的には4倍になるから大変なんですけど(笑)。

ーーではこれまでなんらかの形で上映されたことのある作品も、今回新たに再編集されているのですか?

そうです。再編集もそうだけど試写会でも特別版を上映しようと思っているからいろいろやっています。

ーーホンマさんはそのキャリアの早い段階から写真作品と同時に映像作品も手がけてこられましたが、そのスタイルも変わってきたということでしょうか?

自分の中である種の方法論が出来たのはここ5〜6年のことになります。今回上映する作品の中では、8年前に作った中平卓馬さんのドキュメンタリー映画の頃はまだいろいろ模索中で、それ以外の3作品は自分なりに方法論が確立されてから作ったものになります。

ーーそのきっかけは何かあったのですか?

映画監督の諏訪敦彦さんと一緒に「ニュードキュメンタリー」をテーマに大学院の授業をやったことが大きいです。そこで4年くらいいろんなドキュメンタリー映画を観たり議論して得た知見、方法論について考えたことで、僕自身映像を撮る作家でもあるわけだから、議論しているだけでは物足りなくなって実践してみたいと思ったのがきっかけです。

ーーそういった意味では諏訪さんも劇映画の作家でもあるけれど、たとえば「H Story」のようにドキュメンタリーの手法で映画を撮るシネアストでもありますよね。

そうです。だいたい諏訪さんの映画は全部脚本なしだから。

ーーそうなんですか?

ほとんど脚本なしです。諏訪さんの場合は。

ーー「H Story」は個人的に大好きな映画で、1959年に撮影されたフランスのアラン・レネ監督の「二十四時間の情事」のリメイクになるのですが、リメイクすることの不可能性みたいなものを扱った映画でした。その不可能性はドキュメンタリーについても同じことが言えると思うのですが、ホンマさんはどう思われますか?

そうなんだよ。今君が言ったみたいに、そもそも本当の意味でのドキュメンタリーを作ることって不可能だと思う。ある事象があって、それを映像に撮りたいと作家が考えたとして、本当の意味でそのもの自体を撮ることはできないし、結局編集するとなんらかの操作が入るから完全なドキュメンタリーってないんですよね。その前提の上での実験なんですよね。

きわめてよいふうけい
(C)Takashi Homma New Documentary

「ドキュメンタリー」という手法

ーーホンマさんにとって初の長編ドキュメンタリー作品である「After 10 Years」について教えてください。

雑誌「カーサブルータス」の写真の仕事で建築家のジェフリー・バワが設計した、スリランカにある海に面したリゾートホテルの撮影に行ったことがありました。偶然そこでその9年前にあった大津波の話を聞いて、来年ちょうど10年目のセレモニーをすると聞いたので、セレモニーまでの一週間を撮影したら面白いんじゃないかということがきっかけでした。

ーー映像を少し拝見して、ホテルで働いている人たちの日常の風景を淡々と撮っていくその手法が面白いと思いました。

ドキュメンタリー映画の世界的巨匠にフレデリック・ワイズマンという人がいるんだけど、その人がだいたいそういった組織のオペレーションみたいなものを延々と撮っている。それを自分ではワイズマン方式って言っているんだけど、ワイズマンの作品をさっきいった授業で見続けていて、自分でもワイズマン方式で何か撮れないかなと思って。そうしたらワイズマンは学校や病院や美術館、動物園、デパートなどいろんなものを撮っているんだけど、なぜかホテルだけは撮っていないということが分かって。それなら自分がホテルをワイズマン方式で撮ることにも意味があるかなと思ってやりました。

ーーいろんな組織のオペレーションのあり方を撮るワイズマン的手法に刺激されたということですか?

まあそうなります。それと写真と映画の中間の領域みたいなことをやりたいと前から思っていたから。あらためてワイズマン作品を観ると、どちらかといえば割とそっちに近い。ワイズマンはドキュメンタリー映画にも関わらず、ナレーションもテロップも音楽も一切排除して、ただ映像だけで作品をつくる人なんだ。今、映画といったらその全部が入っているのが普通だから、ある意味特殊なんです。

ーー映画は映像、音楽、演技などを含めた一種の総合芸術というところもありますよね。

そういえば聞こえはいいけど、実際のところは多くの人に分かりやすく、しかも簡単に伝えるためにそうしていることが多い。だけど、ワイズマンは全く違う。そうしないことで100人がそれぞれ100通りの見方をしてもらいたいと思っているからそうしているわけで。そこは全然違うよね。

ーーそれがワイズマンの作家性でもあるということでしょうか

ワイズマンは映像がもつ力を本当に信じているんだと思う。結局ナレーションや音楽をかけて映画を盛り上げるというのは、総合芸術といえばかっこいいけど、実際のところは全体のうちで映像の力を何分の1しか信じていないわけでしょ?もちろんそれは既存の映画へのアンチテーゼでもあるんだよね。

ーー写真家の方や芸術家の人でも映像を撮る人はたくさんいますが、ホンマさんの場合、劇映画に行かなかったというのはそういった映画への批評精神があったからでしょうか?

それもあるし、もともと「ジャンル」が嫌いなのかもしれない。自分は写真家と言われるけど、ずーっと「写真」というジャンルに対しても違和感を持ってきたわけで。なんとかその間の領域にチャレンジしたかったという思いがあります。

————後編に続く。

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ホンマタカシ氏

1962年東京都生まれ。1999年、写真集『東京郊外 TOKYO SUBURBIA』(光琳社出版)で第24回木村伊兵衛写真賞受賞。「Babyland」(リトル・モア /1995年)、「Tokyo and my Daughter」(Nieves /2006年)、「NEW WAVES」(PARCO出版 / 2007年)他、著書「たのしい写真 よい子のための写真教室」(平凡社 / 2009年)、作品多数。
http://betweenthebooks.com/

「ホンマタカシ ニュードキュメンタリー映画 特集上映」
2016.12.10(土)シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
(1週目昼興行、2週目レイトショー)
制作:between the books  配給協力・宣伝:mejiro films

◎公式サイトhttp://betweenthebooks.com/
◎劇場版予告 youtube https://www.youtube.com/watch?v=7OS-TPIEynI
◎公式Facebook https://www.facebook.com/Newdocumentary2016/

『ホンマタカシ ニュードキュメンタリー 映画特集上映』プレイベント
@VACANT

公開を記念して、プレイベントを原宿Vacantで開催。ホンマ自身の4作品の解説とともに、美術評論家の椹木野衣と写真、映像、ヴィデオアートの中間領域の可能性について深く探っていく。映画内の楽曲を提供したダスティン・ウォングによるミニLIVEも。
日時:11/23(水・祝) 16:00-START
会場:Vacant(東京都渋谷区神宮前3-20-13)
料金:¥1,500
トークゲスト:椹木野衣(美術評論家)
LIVE:ダスティン・ウォング(ミュージシャン)

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Authors

加藤 孝司加藤 孝司
水島 七恵水島 七恵
野本 哲平野本 哲平