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Diary

カミツレの香りに包まれながら

2016年06月10日 

幼い頃、2年間だけ長野に住んでいたことがある。

善光寺のすぐそばに住み、通っていた保育園も善光寺保育園だった。
日本最古と言われる一光三尊阿弥陀如来を本尊とし、江戸時代末には
「一生に一度は善光寺詣り」と、言われるようになった善光寺には、
今も変わらず日々全国各地からの観光客が絶えない。
また近隣には、美術館、動物園、科学博物館など、
善光寺を中心にたくさんの文化施設が点在していて、とても静かで美しい街並みが広がっている。

 

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長野での暮らしは、いい思い出しか浮かばない。唯一、苦い思い出といえば、みかんの皮が飲み込めなくて、ポケットにこっそりと持ち帰る園児だったということぐらい…。

だから離れてもなお、長野が好きだ。
他の県よりもちょっと特別視してしまうのは、暮らしの記憶がそうされるのだと思っている。

 

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そんな私は今回、長野県北安曇野群池田町にある「カミツレの里」 に訪れた。

北アルプスの山々に囲まれた中に佇むカミツレの里。
訪れたのは5月下旬。ちょうどカモミールがが満開のいい時期だとは伺っていたが、実際訪れてみてその景色は想像以上にふくよかだった。あたり一面がカモミールの絨毯が敷かれているようだった。

 

 

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主にカモミールティーとして馴染みあるカモミール。

そのカモミールの和名がカミツレ。ここ「カミツレの里」は、8000坪もの広大な敷地に
13万本のカミツレの花が咲く。その花を用いて生まれているのが、「華密恋」
入浴剤やスキンケアアイテムとして知られている「華密恋」は、
この里の中にある「カミツレ研究所」が、製造している。

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カモミールは植物療法が盛んなヨーロッパでは肌への効用もよく知られている。
カミツレ研究所では敏感肌やアレルギー持ちの人にも効果があると言われているカモミールを、
1982年の創業以来、農薬を使わず有機肥料のみで栽培。
そうして収穫された国産のカモミールを凝縮したカミツレエキスを製造し、
「華密恋」シリーズをつくり続けている。

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カミツレ研究所内にある工場では、収穫の後、乾燥させたカミツレがエキスになる様子をガラス越しに見学できる。
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クリーンで明るい工場内では、二人の作業員がまさにエキスを製造中だった。

土づくりからこだわり抜かれた畑に、10月、13万株ものカミツレが
一株ずつすべて手作業で植えられる。
その後、苗は雪の下で越冬したのち、5~6月上旬に開花。そこで再び手作業で収穫されるカミツレ。まるでリレーのようにバトンが渡されてゆくカミツレの姿を、ガラス越しに見たような気がした。

多くのひとの愛情と知恵と技術によって、華密恋は私たちの手に届いていく。

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カミツレ研究所の他に、カミツレの里には、この華密恋の湯が体感できる宿「八寿恵荘」がある。
咲き誇るカミツレにまるで包み込まれる様に佇んでいる「八寿恵荘」は、
今年5月にリニューアルし、日本で第一号の“ビオホテル”でもある。

 

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入り口に足を踏み入れた瞬間から、身体が喜んでいるのがわかる。土と風と水と火と。
まるで自然の通り道のなかに自分も存在しているような、心地よさ。すぐに素足になりたくなった。

「木のぬくもりを感じてほしいので、ぜひスリッパを履かずにお過ごしください」。
クリ、スギ、アカマツ、サクラ、タモ、ケヤキ、ナラ、ヒノキ。
基本の木材は全て地元池田町の8種類の木を使っているという。

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カモミールティーをいただく。甘く優しい香りがほっと心を和ませる。安眠も促すと言われているカモミールティー、それも収穫したばかりのカミツレで淹れたティーは効果てきめん。肩の力が抜けて眠くなった。

タオルから、敷き布団や掛け布団、枕、毛布などの寝具にはすべてオーガニックコットン100%。肌に優しいお部屋で少し横にあったのち、カミツレエキスがたっぷりと入った「華密恋の湯」へ。肌への効用があるとはいえ、私のアレルギーに反応しないかどうかは別。少々不安ではあったが、浸かってみてその潤いにほっと心をなでおろす。

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その土地の持つ自然のエネルギーを享受すること。自分もまた、その自然の一部であること。
普段東京に暮らしているとなかなか実感しづらいその感覚が、湯船に浸かりながらじわじわと自分の輪郭をなぞっていくような気がした。

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Authors

加藤 孝司加藤 孝司
水島 七恵水島 七恵
野本 哲平野本 哲平