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Diary

金沢を歩く。

2016年03月10日 

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先日、 富山県高岡市へ訪れた。初めて降りたった高岡の駅で見慣れたお顔に遭遇。
このダイヤリーでもご一緒しているジャーナリストの加藤孝司さんだった。
その偶然の出来事に驚きつつ、一緒に高岡の街を巡る1泊2日。
高岡という街の奥行きの深さは、加藤さんのダイヤリーで堪能しつつ…
私の方は高岡の後に訪れた金沢のことを。

 

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北陸最大の都市、金沢。
加賀百万石の城下町として栄えた残像が色濃く残るこの街は、
様々な文化が人の営みに寄り添っている。
伝統工芸、伝統芸能の継承と発展を繰り返しながら、280年もの歴史を誇る金沢市民の台所、
近江町市場では、日々新鮮な魚介や青果、精肉などが出回り、人々の活気を支えている。

 

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そんな魅力に止まない金沢に、今回、足を運ぼうと思ったのは、
金沢21世紀美術館で行われている展覧会、
《Ghost in the Cell:細胞の中の幽霊》を観るために。

生命と非生命の境界線はどこにあるのか?

初音ミクにDNAと心臓の細胞を与えて問う本展。
《Ghost in the Cell:細胞の中の幽霊》は、
バイオアーティスト福原志保さん率いるBCLによる展示だ。

人間の欲望と好奇心に従いながら、バイオテクノロジーは今後ますます発展する。
命の本質はどこに向かうのか。倫理を越えていくかもしれないという本能的な怖さ、恐れ。
でも、そもそも倫理って一体なんだろう?これは切実に自分ごとだ。
たとえ苦しくても思考停止せずに、問い続けるために、近年、私はBCLの活動を見つめ続けている。

実は福原さんには現在配布中のフリーペーパーTOKYO PAPER for Cultue
(発行:アーツカウンシル東京)の最新号でも取材させていただいている。

最新号のテーマはインビジブルトーキョー。
世界があってそれを見ているのではなく、見ているから世界は存在している、
ということを携えながら、今号もまた、さまさまな表現者の方たちにお話を伺っている。
その紙面のなかで「見えない視線」をテーマに、6ページの特集を組んだ。
宇宙、生命、距離、意識、言葉、時間…と6つのキーワードをもとに、
様々な分野で活躍されている敬愛する6名のクリエイターにお話を伺った。

その6つのキーワードのなかで福原さんには「生命」を。
福原さんの答えは、紙面にてご覧いただけたらうれしいです。
TOKYO PAPER for Cultueは主に都内の文化施設やギャラリー、
書店などを中心に配布されていますが、
オフィシャルサイトではPDFもダウンロードできます。

…見えないものを認識することで、見えてくるものがあります。

《Ghost in the Cell:細胞の中の幽霊》もまた、その世界に踏み入れた瞬間の
なんともいいがたい身体反応は、きっとずっと忘れないと思う。

 

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21世紀美術館を後にした私は、街を散策することに。
この日はコートを脱いでも少し汗ばむくらい陽気な天気だった。
美術館からほど近い「生活工芸shop lab モノとヒト」へ。

 

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「物と人」。

展覧会タイトルが過不足なく中身を伝えている。

安藤雅信/山口信博/石村由起子/皆川 明/猿山 修/中村好文/ナガオカケンメイ/赤木智子/
中原慎一郎 /三谷龍二/山本忠臣/小林和人/辻 和美

それぞれのフィールドで誠実で魅力的な活動を見せている13名の、
物と人の関係性をつないだ展覧会が行われていた。

物を通じて立ち上がってくる、その人の、生活感、振る舞い。
それはとてもささやかで、でも力強い生きる力がそこにはあって、美しかった。

13名が1点ずつ選んだ13 種類の物は販売もされていて、私はパン皿を選んだ。

金沢市の生活工芸プロジェクトの一環として、
3年という期間限定でオープンしていた「生活工芸shop lab モノとヒト」。
プロジェクト終了とともにお店もまた、3月6日をもって閉店とのこと。
閉店直前になんとか私は伺えた。ご縁に感謝。

 

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そして鈴木大拙館へ。ここは21世紀美術館とともに今回かならず訪れたいと思っていた。
金沢出身の仏教学者、鈴木大拙の思想を紐解く同館は、
京都国立博物館別館やニューヨーク近代美術館(MoMA)を手掛けた建築家・ 谷口吉生氏設計だ。

「うんとこどっこいしょ」

なんとも心地よい空間の動線が、意識の流れをも心地よく運んでくれる。
形を変えて変幻自在に流れながら、それでも水は水。
自分という自意識が溶けてなくなるような感覚。
今、この瞬間に身を置くということ。そして流れていくこと。

鈴木大拙の思想を内包したこの建築のなかで、私は果てしない宇宙を垣間見たような気がした。

 

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金沢の人たちの生きる術、命の営み。
結果的にいろんな角度から感じることができる旅になった。
金沢、また改めてゆっくり訪れたいと思う。

 

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Authors

加藤 孝司加藤 孝司
水島 七恵水島 七恵
野本 哲平野本 哲平