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民具木平の市場調査 第9回 ジャパンキャンピングカーショー 2016 そして 雑貨展 ”Japan Camping Car Show 2016 & “ZAKKA -Goods and Things-” Exhibition ”

2016年02月29日 

毎月30日に更新しているダイアリーですが、去年の6月からはじめる際に「2月には30日がない問題」の話をすることをすっかり忘れていたので、どうしようかと途方に暮れていたのですが、迷ってるくらいなら書いておこうということで、今月は閏日の29日アップという体で書かせていただきます。

今回は2月11日に訪れた「ジャパンキャンピングカーショー 2016」での「よそんちの犬」のリサーチと、いよいよ2月26日から21_21 DESIGN SIGHTではじまった企画展「雑貨展」での当方出展作品である新作「雑種採集/Hybrid Collection」において、展示スペースの関係上惜しくも実物展示が適わずスライド展示のみになってしまった「雑種」のスライドをそれぞれ8枚ずつ計16枚をバック・トゥ・バックスタイルでお届けします。B2Bの時点で読みづらいうえに、途中「雑種採集」でも犬モノが出てくるのでちょっと分かりにくい部分もありますがご了承ください。(白字のキャプションが埋め込まれているスライドが「雑種採集」です。)

新作「雑種採集/Hybrid Collection」は「生活の達人たちが必要にかられて制作した雑種な生活用品や状況」のリサーチです。世界中のどんなカタログを探してものっていないであろう雑種を探すリサーチは非常に困難を極めましたが、たくさんの方々のご協力のもと結果的には多種多様な雑種たちを集めることができました。「雑貨展」ではオブジェクトが25品、スライドが112枚(9〜10分程度のスライドショー)という構成となっています。是非会場で雑種たちのプリミティブでイノセントな生き生きとした佇まいと、作者のシャープで洗練された思考の痕跡に触れていただけましたら幸いです。

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ペットの入場受付はこちらから。一頭200円です。

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ドッグフェンス(茨城県)

60代 男性 陶芸家

メッシュパネル、園芸用ワイヤー

犬がこれ以上入ってこないように物理的にも精神的にも効くフェンスです。

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カタログに夢中。

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ドリンクテーブル(東京都)

作者不詳

ポスト、インターホン

「インターホン越しに呑む」新しい立ち呑みのスタイルを喚起させるテーブルです。

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「犬対応」かどうかが今後の激しいキャンピングカー商戦を生き残る一つのポイントであるとまざまざと感じることができました。

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一輪刺し(東京都)

作者不詳

石膏ボード、壁紙、造花

中央区のタイ料理店にて

リサーチ協力:二階堂戒

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「やっと会えたね」

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魔除け(東京都)

40代 男性 ミュージシャン

エアコン、塩化ビニル、紙

エアコンを神棚とみたて魔除けとしておきました。

リサーチ協力:宇佐美理

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「この犬どこが顔だかわからないわん」

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押し入れ(富山県)

作者不詳

押し入れ、グラビア

味気ない押し入れのインテリアに戸を開ける楽しみをプラスしてあります。

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「もうつかれたわん」

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ドリンクホルダー(東京都)

作者不詳

降車後すぐにアイスコーヒーを飲めます。

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こちらは犬とは関係ないですがフレッシュだったので。

お遍路さん向けのキャンピングカーっていうナイスコンセプト。

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時計(東京都)

作者不詳

プラスチック、紙、ムーブメント、短針、分針、秒針

時計を見るたびに餃子をリマインドできます。12時はラーメン、3時は炒飯、6時は酢豚、9時は鶏の唐揚げがあしらわれています。

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たのしかったねー

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ティッシュ箱(東京都)

30代 男性 自営業

なかなかいいデザインのティッシュ箱が見つからなかったので。

余計な、自意識

2016年02月25日 

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春の気配を感じる今日この頃。
ミモザをはじめ、春のお花も少しずつ手にできるようになって、うれしい。
春という季節はちょっと苦手だけれど、春が冬を侵食していく気配は好きだ。

先日、水栽培用のチューリップの可愛らしさに目を留めていたとき、
ぼんやりと言葉にはできない感覚が頭の中でぐるぐるしはじめた。
やがてチューリップの健気なその佇まいを見ながら、
次第にそれは自意識という言葉に置き換えられるようになった。

 

自意識

自分自身についての意識。周囲と区別された自分についての意識。
自己意識。

 (出典:デジタル大辞泉)

チューリップは人に見られることなんて御構い無しに、ただ、そこにある環境に対して
自分なりのカタチを持って、生きている。それに対して自分は一体なんだろう?

自意識過剰

他に対する自己意識しすぎること。自分が他人にどう見られるかを考えすぎること。
また、そのさま。

(出典:デジタル大辞泉)

 

そう、思い返すと仕事でもプライベートでも急に恥ずかしくなる瞬間は、
大体が「自意識過剰」が絡んでいたように思う。

例えば映画、音楽、アート。それらの作品は自己表現の一環であるという解釈もあるが、
私の場合、大抵作品の作り手の自意識を強く感じ取ってしまった瞬間、
その作品への気持ちが一気に冷めていくことがほとんどだ。

昨今、急速に発展しているSNSを見たり、自分が投稿するときに思う。
「美しく撮ろう」「おしゃれに」とする自意識が先行した写真や言葉には心惹かれない。
そしてとても恥ずかしくなってしまうのだ。

 

自意識なんて構っていられないくらいに、否応なしに心の底から突き動かされるもの。
そして、この世界で起きていることに、自分なりに対処していくこと。
その対処の仕方こそが、自意識という言葉にも置き換えられると私は思うから。
だから自意識を意識すればするほど、本質から離れていってしまうような気がするのだ。

 

自意識は、無意識には勝てないんだ。

 

植物の命の有り様を見ながら自意識の先にある、
無意識の美しさについて、改めて考えさせられた。

恩地孝四郎の世界

2016年02月20日 

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かつて僕が強く影響を受けた版画家、恩地孝四郎(1891-1955)について書こうと思う。なぜそう思ったかというと、先日、東京国立近代美術館で過去最大規模の恩地孝四郎展が開催されていることを知ったからだ。
作家自らが版を掘る創作版画という新しい分野でその才能を開花させた恩地。モダン、アヴァンギャルド、生命感、構成力豊かな作品を残した。

1980年代にハマった恩地の作品に再会したのは、10年程前に同じ東京国立近代美術館で開催されていたとある展覧会。確か展示作品は日本で最初の抽象表現といわれる1915年の木版「矜情・あかるい時」だった。赤と白の二色だけの予定不調和なアブストラクトな作品。心の奥から覗きこまれるような深い何かを想像させる作品だ。自らはそれを抒情画と呼んだ。

恩地孝四郎については大正昭和の時代に活動した版画家としてよく知られている。竹久夢二に師事し、師とは異なる道を創作版画で示した。同時代、数多くの文学書の装丁デザインや挿絵を手がけ、萩原朔太郎の詩集「月に吠える」(1917)での版画がつとにに有名だ。

1914年に学生時代に出会った盟友、田中恭吉、藤森静雄らと詩と版画の同人誌「月映(つくはえ)」を創刊。フォトモンタージュなどの写真作品や詩も残しているが、個人的にはこの頃から1920年代を中心にした版画作家としてつくりだした作品に共感する。

カンディンスキー、ロシア構成主義に影響をうけた幾何学的な直線で構成された抽象的な作品、立体物を想起させるうごめくような色。版画というざらついた質感の紙にすくい取られたインクのかすれた色の構成が、生と死が今より身近にあったこの時代特有の儚い空気感を感じさせる。

恩地孝四郎は当時は調べていた1920年代の文脈のなかで出会い発見したのだが、戦前は社会的にあまり認められることがなかった故に、今から見ればもっとも充実した作品を創作していたこの頃の版画のオリジナルは極めて現存数が少ない。故に自刷となるオリジナル版画を見ることは稀だ。その作品は戦後日本より早く評価の高まったアメリカへと海を渡ってしまっている。

版画と絵画を区別して、その立ち位置を示そうとした戦前の版画家たちは、自ら描き、自ら彫り、自ら刷ることをよしとした。当時の画壇では版画は絵画より低く見られていた節があり、恩地孝四郎も版画家としてよりも、書籍の装釘や挿絵画家として日銭を稼ぐ他になかった時代が長くつづいたという。
同時代の挿絵家としては当時は怪奇小説と評されていた、江戸川乱歩の小説の挿絵を描いていた竹中英太郎も印象に残っている。
恩地孝四郎の挿絵や版画は抽象画の文脈で語られるべきで、決して大衆的な世俗的なものばかりではないだろう。時代は第一次世界大戦と二つ目の世界大戦のはざま。混沌、モダン、暴力。世界中で同時多発的にさまざまな文化運動が勃発した。どこか未来への不穏な空気と、先行きの不透明感を内在しているかのように見えるこの時代の文学と芸術。また医学がいまの時代ほど発達していなかったこの頃、病も文学の背景には悲劇的なばかりではない影響を残している。繁栄の裏に感じるどこか取り残されたように感じる不安、いらだち、行く先の見えない時代の空気感。恩地が版画家としてその才能を開花させた時代と、100年ほど経った今の時代はどこか共通するように感じるのはなぜか。

晩年、その抽象表現をさらに進化させた実験的な手法で作品を手がけた恩地。国内よりむしろ海外でその評価は高く、戦後の作品の多くはアメリカやイギリス、ドイツなど海外の美術館に収蔵されている。
環境問題、ボーダレス、グローバリゼーション、分散、カオス、新自由主義、共生社会、ロングライフ、新しい価値の創造など、多様化し複雑化がすすむ今の時代、創作の原動力になるものは何なのだろうか?今の文学や芸術の背景にあるものとは?
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Authors

加藤 孝司加藤 孝司
水島 七恵水島 七恵
野本 哲平野本 哲平