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愛という機能と造形が密接な関係性をもったデザイン

2015年11月20日 

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秋のデザイン祭り期間中に、六本木のAXISギャラリーで開催されたいた清水久和「愛のコンティニュアスデザイン展」。そのときも最高にいい展示だと思ったのですが、会期が終了してから半月ほど経ち、あらためてすごいエキシビションだったと思い、特集してお送りします。

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「愛のコンティニュアスデザイン展」は、資生堂や象印マホービン、富士フィルム、コトブキ、天童木工など日本を代表する7社がデザイナー清水久和と恊働、それぞれの自社製品を開発しながら“ 次のデザイン”を発信する、AXIS誌でも連載の企画が元になっているエキシビション。清水が発明した、デザイナーの初期段階の発想を形にすることを可能にするデザイン手法「コンティニュアスデザイン」が生み出す創造力と自由な感性に満ちたプロトタイプや製品から、刺激と希望を得るデザイナーも多いのではないだろうか。

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驚くことにこれをつくるにあたり、清水は一切図面をひいていない。設計にはいわゆる3Dのモデリングをするだけだという。しかもそれをあたかも粘土をこねるように、手でラフスケッチを描くようにやる。それが清水久和のデザイン手法がコンティニュアス・デザイン=連続性のあるデザインと名付けられているゆえんである。またコンティニュアス・デザインでは、機能と造形が密接な関係性をもったデザインをたった1人で行うことのできるメリットがある。
3Dのプログラム上でおこなわれるデザインには、微妙な誤差、個体差など、曖昧さは一切無縁だ。この鏡を構成するなめらかな曲面には概念的に一切の継ぎ目がない。そして量産も可能である。

そのデジタルなプロセスは、すべての制作工程をコンピュータデータを入力したNC旋盤で行う製造工程も同様だ。しかしそこには誰もが扱うことができるコンピュータソフトを使いながら、簡単には真似することのできない高度な技術という裏付けがあることも忘れてはならない。
では、作品には手作業でつくられたものに備わる、いわゆる味も感じるが、という問いに清水は、3Dモデリングで完璧につくられたものには、完璧につくられたものにしかできない味が生まれるのだという。

見た目は限りなくクラフトに近いが、その手法はインダストリアルデザインの最前線をいっている。それが清水久和のデザインなのだ。

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ものをつくることにおいてコンセプトやアイデアの重要さをあらためて感じさせた。
展示を見た人たちからの今年ナンバーワンの声も多い本展では、建築家の山口誠が手がけた会場構成にも注目が集まっていた。

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木のアイスクリームスプーン、アイスカップ、バトン、ビニールふうせん、ビニール製のおもちゃ。清水はHow Studioにも参加し、自身の会社S&O DESIGNの事務所でアイデアソウスともなった偏愛的に集めている愛に溢れた「バッドデザイン」も展示した。

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Authors

加藤 孝司加藤 孝司
水島 七恵水島 七恵
野本 哲平野本 哲平