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民具木平の市場調査 第6回 酉の市 ” TORI NO ICHI ” 

2015年11月30日 

明日から12月、今年も早いもので残すところあとひと月となりました。

今回も季節モノで「酉の市」の調査です。

今年は「三の酉」まである年なので、11月29日の三の酉の日に浅草の鷲神社に行ってきました。

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東京メトロ日比谷線の入谷駅より徒歩で鷲神社を目指す。

浅草にはなにかと縁があり、わりと訪れることが多いのだが、このエリアは通り過ぎるばかりだったので、調査的な視点だと色々と発見があり新鮮である。

これは別の調査でもまた近いうち訪れる必要がでてくる地になるであろう雰囲気が満々。

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二の酉が天気が悪かったのと、日曜日ということも相まってか、国際通りに出るとすでにもの凄い人だかり&行列が。

たくさんの警察官が動員されている様子で、群衆の秩序と安全を見守っています。

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すでに縁起熊手を手に入れて歩いている人もちらほらと。

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肩に担いだり、頭上に掲げたり。

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KEEP OUT。

警備は厳重だ。

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押し合いへし合いの人ごみの中で、頭と頭のあいだから熊手がのぞく。

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色とりどり様々なデザインの熊手を掲げる姿は、街に賑やかな潤いを与える一方で、みなそれぞれの願いを込めて来年の幸せを祈る真剣さが伝わってきて、こちらの気持ちも引き締まる思いである。

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熊手を担いで家路につく。

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縁起熊手はwikipediaによると元々は農民のために縁日の境内で熊手や鍬などの農具を販売していたのが、次第におかめなどの縁起物がオマケとして農具につけられるようになり、それが現在の装飾熊手の由来となっているとのことである。

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多様なデザインの熊手が道端で頭上をスゥ~ッと移動していく様はなにか妖怪のようでもある。

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国際通りから一本脇道に入ると熊手店がひしめき合い軒には屋号が入った旗が上り、あちらこちらから商いの成立を意味する賑やかな手締めが聞こえてきて、これぞ江戸であるといわんばかりの情緒だ。

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熊手店の界隈を過ぎるとさらに様々な露店がたち並ぶ。

浅草鷲神社の酉の市では、熊手店約150店・露店約750店が賑わい、毎年70~80万人の人出があり、日本一の規模とのこと。

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幸福之小槌

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坪庭、篠山紀信。

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人ごみの中を歩けども歩けども露店が続く。東の端は吉原神社のあたりまで露店で賑わっていた。

今回、酉の市を調査していて、厳重な警備と人混み、そして人々が頭上に掲げる「先に何かがついた棒」。この組合せはなにかに似ているなと考えを巡らせて気付いたのは、国会議事堂の前みたいだなあということだ。まるでプラカードをもったデモ。もしくは農具を手にした百姓一揆。

正直プラカードはあまり持ちたくないけど、熊手はいいなと。

プラカードを熊手に持ち変える、そんな仕事をしていけたらなと思いました。

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ちなみに僕は古典的であまり飾り気のない、かわいいらしい大きさの熊手を買って帰りました。もちろん手締めもしてもらって。

今回の調査では、まだまだ知らない街がたくさんあるんだなと東京の広さと懐の深さにドキドキした。

※ただいま浅草鷲神社では第11回鷲フォトコンテストの作品を募集中!

http://www.otorisama.or.jp/photocon.html

ハーブティーと鴻池朋子さんとソール・ライター

2015年11月25日 

G.F.G.S.の恵美子さんからハーブティーをいただいた。

「京都のmakaさんが作ったハーブティーですよ。このハーブティーをF/styleさんが取り扱っていて、
買ったのはF/styleさんで。とても美味しいから、ぜひ」。

私も大好きな新潟のF/styleさんで買ってきてくださったとのこと。
一目でそのハーブティーの佇まいの素敵さに惹かれた私は、早速飲んでみた。
少しずつ身体に染み込んでいくその味わいは、野生にあふれている。

大切に飲みたい。そう思いながら、makaさんのHPものぞいてみたら、
makaを主宰されている樫田幸枝さんは、このハーブティーのほかに、
アロマテラピースクールや香りを身近に取り入れるためのワークショップも定期的に行っていた。

自然と人。その間に流れているモノ、コト。考えかたが凛としていて素敵だ。
ハーブティーは通信販売もやっているよう。定期的に取り寄せていきたいと思う。
素敵な出合いをつないでくれた恵美子さんに改めて感謝した。

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最近世界で起きている様々な事件をみていると、以前よりも遠い国の出来事だとは思えなくなっている。
他人事ではなくすべては自分事。呼吸が浅くなって立ち止まってしまうこともしばしばある。
その度に「これじゃあいけない!」と思いながらも、苦しい気持ちは拭い去れない。

解決の糸口も見出せないまま、でもだったらせめて
目の前にある自分の生活だけでもどうにかちゃんとしていこう。
その気持ちだけでもせめて強く持っていこう。不安は消えないから、それも抱えながら。

自分を営んでいくこと、そのためのいろんな工夫。それこそ私にとっては
makaさんのおいしいハーブティーを飲むことであったり、
好きなアートや映画をできるだけ観ることでもあると思う。

 

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「根源的暴力」。

現代アーティスト鴻池朋子さんの個展が、現在神奈川県民ホールギャラリーで行われている。
(〜11月28日まで)

日々受け取る理不尽な痛みの前に、私はどこかちゃんと逃げずに受け止めていきたいと、
そのきっかけをもらいたいと、鴻池さんの個展に訪れた。

 

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凄まじかった。

「生物の内臓には様々な色彩が詰まっている。赤色だけじゃないんだよ。」と、
批評家で美術解剖学をされている布施英利先生に取材で伺ったことがあるけれど、
まさに自分の内臓に携えた色彩が、鴻池さんが描き出した命の色彩と共鳴するような、
腑におちる体験をした。作品の展示も仕方も本当に素晴らしく、
鑑賞者と作品の関係性を問うものになっている。

今現在に、鴻池さんの作品に出会えたことは、
私にとってとても大きな財産ときっかけになった気がする。

 

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もうひとつ、ささやかだけれど、身体の芯がじんわりとあたたまる映画に出会った。
映画『写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと』。
12月5日からシアター・イメージフォーラムにて公開される。

ニューヨークを撮影したカラー写真の先駆者であるソール・ライター。
映画では彼の偉大なる作品と寄り添いながら、
80歳を超えてもなお写真を通じて世界を捉え続けた彼の日常に迫ったドキュメンタリー映画だ。
仕事上、私は試写で観せていただいたがとても良い作品だった。

特に印象的だったのは、ソールは自分が撮りたい写真について言葉にするシーンだ。
その言葉の奥深さ、言葉が意味するチャーミングさが
本当に素晴らしくて、今もずっと大切に心のなかにしまっている。

生きている限りきっと不安はなくならない。その不安とともになんとか日常を自分なりに良くしていく。
その心意気を忘れたくない。そしてそれを忘れないよう、
私はこれからもたくさんの作品に出会っていきたいと思う。

愛という機能と造形が密接な関係性をもったデザイン

2015年11月20日 

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秋のデザイン祭り期間中に、六本木のAXISギャラリーで開催されたいた清水久和「愛のコンティニュアスデザイン展」。そのときも最高にいい展示だと思ったのですが、会期が終了してから半月ほど経ち、あらためてすごいエキシビションだったと思い、特集してお送りします。

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「愛のコンティニュアスデザイン展」は、資生堂や象印マホービン、富士フィルム、コトブキ、天童木工など日本を代表する7社がデザイナー清水久和と恊働、それぞれの自社製品を開発しながら“ 次のデザイン”を発信する、AXIS誌でも連載の企画が元になっているエキシビション。清水が発明した、デザイナーの初期段階の発想を形にすることを可能にするデザイン手法「コンティニュアスデザイン」が生み出す創造力と自由な感性に満ちたプロトタイプや製品から、刺激と希望を得るデザイナーも多いのではないだろうか。

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驚くことにこれをつくるにあたり、清水は一切図面をひいていない。設計にはいわゆる3Dのモデリングをするだけだという。しかもそれをあたかも粘土をこねるように、手でラフスケッチを描くようにやる。それが清水久和のデザイン手法がコンティニュアス・デザイン=連続性のあるデザインと名付けられているゆえんである。またコンティニュアス・デザインでは、機能と造形が密接な関係性をもったデザインをたった1人で行うことのできるメリットがある。
3Dのプログラム上でおこなわれるデザインには、微妙な誤差、個体差など、曖昧さは一切無縁だ。この鏡を構成するなめらかな曲面には概念的に一切の継ぎ目がない。そして量産も可能である。

そのデジタルなプロセスは、すべての制作工程をコンピュータデータを入力したNC旋盤で行う製造工程も同様だ。しかしそこには誰もが扱うことができるコンピュータソフトを使いながら、簡単には真似することのできない高度な技術という裏付けがあることも忘れてはならない。
では、作品には手作業でつくられたものに備わる、いわゆる味も感じるが、という問いに清水は、3Dモデリングで完璧につくられたものには、完璧につくられたものにしかできない味が生まれるのだという。

見た目は限りなくクラフトに近いが、その手法はインダストリアルデザインの最前線をいっている。それが清水久和のデザインなのだ。

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ものをつくることにおいてコンセプトやアイデアの重要さをあらためて感じさせた。
展示を見た人たちからの今年ナンバーワンの声も多い本展では、建築家の山口誠が手がけた会場構成にも注目が集まっていた。

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木のアイスクリームスプーン、アイスカップ、バトン、ビニールふうせん、ビニール製のおもちゃ。清水はHow Studioにも参加し、自身の会社S&O DESIGNの事務所でアイデアソウスともなった偏愛的に集めている愛に溢れた「バッドデザイン」も展示した。

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加藤 孝司加藤 孝司
水島 七恵水島 七恵
野本 哲平野本 哲平