1. TOP>
  2. Diary>
  3. 広島のモノ、コト、人々に触れる

Diary

広島のモノ、コト、人々に触れる

2015年09月20日 

L1251674

9月11日、広島のモノ、コト、そして人々がつどう空間<ヒロシマ モノコトストア。>がオープンした。

L1251681

ストアがあるのは人々が行き交う広島市内の中心部、中区袋町。このエリアはアパレルや雑貨、ヘアサロン、今のトレンドを感じさせるレストラン、ローカルな食堂などが軒を連ねる広島市内随一の繁華街。
ストアは1階正面右側にある階段を上がって2階から始まる導線。アクセスの良い立地でありながら、このわざわざ感が面白い。

L1251659

2階には、江田島でつくられる焼物、吹きガラス、安佐南区の無水鍋、広島の子供服やジュエリー、鍛冶屋さんが作るオブジェなど、ここ広島で作られたものが、一筆書きで描かれたような壁面やお座敷のような展示台などに置かれ、それぞれが優位性をつけられることなくフラットな関係性の中で展示販売されている。まずは、広島生まれのプロダクトたちを体験してもらいたいというコンセプトが体現された空間だ。

DSC_1047

L1251668

ストア内で2つのフロアを繋げるのは印象的な螺旋階段。1階にはライブラリー、キッチン、喫茶スペースなど。広島生まれのスピーカーで心地よい音楽が流れるラウンジ的なスペース。

L1251683

通称<ビッグスイング>と名付けられた折戸がしつらえられた1階正面ファサードは、屋台やカウンターにもなる。この場所で行なわれるときどきで変化するコンテンツを柔軟に受けとめ、街に向けて発信していくヒトコトと街との接点になっているようだ。

DSC_1050

現在、1階のキッチンでは、先日のオープンから期間限定で、宮島にある珈琲豆の焙煎所を備えたスペシャリティコーヒーの<伊都岐珈琲>のコーヒーを愉しむことができる。このちいさなキッチンは広島の食で躍動感あるモノコトヒトを繋ぎ発信していく場になる。

DSC_1058

DSC_1066

パッケージも美しい刺繍針やまち針。これは300年以上続く広島針の伝統を受け継ぎ広島で作られる裁縫針メーカー<チューリップ>のもの。広島県は実は手縫針、まち針の全国生産量の9 割を誇る産地。しなやかで曲がりにくいなどの特徴をもった高品質の鉢として知られる。ヒロシマモノコトストアでこの待ち針に出会うまで、まったく知らなかったそんな広島のものづくりの歴史の一面。伝え、知ることができるのも公共性をもった開かれた<場>が果たすべき役割だろう。

DSC_1067

縁側のようなスペースの大きな窓からの陽が降り注ぐ窓辺には広島の盆栽が置かれている。

DSC_1073

広島にまつわる本や作家による書籍もセレクトされる壁面のライブラリー。それらは1階喫茶スペースやラウンジで自由に閲覧することができる。現在は閲覧のみだが、今後は気に入った本を購入できるようにする計画もあるという。

<ヒロシマモノコトストア。>に置かれるものは、この街で活動する、デザイナー、選書家などのクリエイター、複数の目利きたちによってセレクトされているという。複数の専門家がそれぞれのセレクトしたものが一同に介するマーケットというエディトリアル的な形式は決して新しいものではないが、ヒロシマモノコトストアに置かれたものはローカルな魅力をもったものをローカルたちがリアリティをもって選んでいるという点に、今後表層的なセレクトではないモノやコトが有機的に繋がっていく予感のようなものを感じる。
そしてこのプロジェクトでは広島に在住する彼ら目利きたちの名前をあえて明かさず、モノコトを読み解き咀嚼するアノニマスな存在の人々<read>と呼び、広島発信のモノや情報をより有益なものに読み替える触媒、媒介者として位置づける。
それはいわば従来、中心に対する周縁と位置づけられていたものが、ローカルの新しいスタイルやそこに内包するビジョンを具体的なモノを通じて提示することで、中心とそしてさらなる周縁に対して影響を及ぼす。ここはそんな兆しを感じさせる場所であることは間違いがない。

<ヒロシマモノコトストア。>
広島県広島市中区袋町2-5
http://www.monokotostore.com

« 8月 2015年9月 10月 »
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  

Authors

加藤 孝司加藤 孝司
水島 七恵水島 七恵
野本 哲平野本 哲平