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Diary

糸杉と桃

2015年09月10日 

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2枚の絵を購入した。
どちらもイラストレーターの塩川いづみさんの作品だ。
http://shiokawaizumi.com

いづみさんとの出会いは、7、8年前になるだろうか。
共通の仕事でお世話になっている人の結婚式でお会いしたのが初めてだったと思う。

その後、編集、執筆させていただいたコスチュームジュエリーのブランド
petite robe noireのムック本で被写体として出演いただいたり、
音楽家の椎名林檎さんのオフィシャルサイト内の企画で絵を描いてもいただいた。

お仕事を入り口とした関係性からはじまった私たちは、
突如、根室の旅、それも4泊5日(飛行機が豪雪で飛ばず延泊!)の旅で変化したように思う。
空と海と雪と。あの何層にもわたる青色を一緒に観たことが大きかったのかもしれない。
何よりいづみさんの絵と根室の景色は親和性が高いように感じた。
以来、日常のなかに点を打つように、いづみさんとプライベートでもお話するようになった。

いづみさんの振る舞いは、描かれている絵の振る舞いそのものに思えた。
物事の本質を、捉えた線。美しい輪郭。

「いづみさんの絵を、買いたいです」。

私はお願いした。そして先日「絵を観に来ませんか」といづみさんからお誘いをもらった。
最初私は女性のポートレートが欲しいと思っていた。
けれどいづみさんが目の前に出してくれる絵をひとつひとつ眺めているうちに
気持ちは変化していった。

絵は、自分の今日ただいまの心情にまっすぐに作用してくる。

そして私が手にしたのは、糸杉 cypress。というタイトルの絵だった。
ゴッホが晩年に描いた木でも知られているという。

花言葉は、死、哀悼、絶望。

・・・私にその絵を受け止めるだけの余裕があるだろうか。
などと、最初迷った。だけど、再生という意味も含んでいるといづみさんは言う。
自分にはこの糸杉とご縁があると確信した。
自分の内面に内包している糸杉が描かれた絵。
どこか救われるような気持ちもあった。
私は「これを買いたい」とお願いした。「はい」といづみさんは言ってくれた。

そしていづみさんと絵の片づけをしている最中に、ふっと目に飛び込んできたもう一枚。
それが「桃」の絵だった。本能的に惹かれた。
「こちらも買いたいです」。
惹かれた瞬間、同時にいづみさんに向かって言っている自分がいた。

IMG_4754

 

今、我が家には2枚の絵が飾られている。
じっくり時間をかけてこの絵と仲良くしていけたらいいな、としみじみ思う。
絵は、私にとって貴重なお宝ではなく、自分の日常に切実に関わってくるものだ。
そんな絵に出会えて、いづみさんに感謝しています。

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Authors

加藤 孝司加藤 孝司
水島 七恵水島 七恵
野本 哲平野本 哲平