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民具木平の市場調査 第3回 旅の荷物 ” luggage ”

2015年08月30日 

八月も残すところあとわずか。今年も夏が終わろうとしていますが、各地に旅にでかけた人も多いのではないでしょうか。今回はそんな旅のハイシーズンにぴったりな  「 旅の荷物  ” luggage ” 」 の市場を調査をすることにしました。

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振り返ると小学生の頃に金曜ロードショーでみたスタンドバイミーで、主人公の少年たちが毛布に荷物を丸め込んで旅に出るという、いままで自分が考えたこともないやりかたに痺れて以来、時代時代で旅の荷物や道具としてのかばん類を意識して過ごしてきたように思います。

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旅の荷物ならばと小雨のふる中、日本の玄関 成田空港 に調査に出かけました。

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結論から述べると、シェルのソフトハードを問わず車輪のついたスーツケースを押したり引いたりしている人が多くかなりの割合を占めました。

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ファッションの一部としてトータルでカラーをコーディネートする若者達。見てるこちらも旅の楽しさを分けてもらってる感じがしてきます。

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少し前の世代のヒモでひっぱるタイプ。ケース自体のデザインも好みです。ヒモにひっぱられていく姿はなにか生き物のようでもあり愛嬌があってかわいらしいです。今のモノに比べると車輪の音がうるさく早朝の旅立ちの際にはちょっとした注意が必要かもしれません。

ぼくは最近までスーツケースを所有したことも買おうとも思ったこともなかったのですが、友人が古びたサムソナイト(おそらくオイスターというモデル。今回の調査で名前を知りました。)を引いて訪ねてきたのに影響を受けて、ここ数年ちょっと気になっていたタイプでもあります。実用というよりもむしろ各色そろえて部屋の収納を全てこれに切り替えるのもいいかもしれないななどと思わせる、年代的にも存在感もバブカセやその頃のKENWOODのスーパーウーファーに通じるまろやかではあるけどオフェンシヴで消費主義的なモノとしての危険な魅力を放っているように感じます。

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人種や国籍を問わずしてスーツケースが多いです。

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スーツケースのうえにサブのバッグをのせて移動する人も多いです。荷重をスーツケースに委ねる事ができるので楽に移動ができます。そのようなアクティヴィティを前提としたシステムの製品も近年多く見受けられます。

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今回とても意外だったのがバックパックをあまり見かけなかったということでした。

近年、ウィールを2つ備えたソフトシェルタイプ・2〜3WAYないしダッフルタイプのバッグの進歩が著しく、いままでバックパッカーだった層が比較的地面が平滑な都市部においてはそちらに移行しているのが原因なのではないか?というのがぼくの考察です。

90Lのバックパックをぼくも使っていますが、最近は重くてしんどいのであまり出番がありません。PatagoniaのMLCという3WAYを使ったりもしてきましたが、最近は同じくPatagoniaのTransport Rollerが気になっています。バッグをキャリーカートに乗せるという方法もフレキシブルで好きなのですが、ウィール付のものを試しに一度使ってみたいと思っています。

ラゲッジの選択も使う人の年齢やとりまく環境など状況に応じて変化していくものなのだろうなと思います。

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トートバッグやボストンバッグは少数派でした。

荷物の量が多い場合、腕力に自信があるひと向けのラゲッジだとは思いますが、旅の情緒を感じるのはなぜでしょうか。快適さと情緒が比例しないところが道具のおもしろいところでもあるように感じます。

荷物の取出しやすさはとてもよく、車の旅には最適かなと思います。

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30Lもなさそうなデイパックひとつの旅人。このくらい軽快な旅人にいつも心底あこがれます。

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家族旅行でしょうか。

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巾着袋や買い物袋の類いの底にキャスターが四つ備わっているタイプです。

三匹の子豚で例えるならば  わらの家  といったところでしょうか。

中に入れるものにもよりますが衣類やタオル等壊れることのない荷物であれば、柔軟に大きさが変わるし、軽く価格も手頃そうです。なにより風情があるので今一度かなり気になる製品タイプです。

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ハードタイプのスーツケースは腰掛けにもなるようです。これは正直けっこう便利だと思いました。

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帰路における荷物はこのような宅配サーヴィスを利用するのも便利なのかもしれません。

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旅に限らず日常生活においても、近年の天災や人災をきっかけに、さらにはデジタルを中心としたさまざまな技術のめまぐるしい進歩もあいまって、今まさに人とモノとの関係性が変わっているタイミングに差しかかっているとかんじています。

それではよい旅を。

 

骨董市

2015年08月25日 

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富岡八幡宮で行われている骨董市へ。
到着は11時。ワクワクしながら散策しようとしたところ、
もう店終いをしようとしている店主さんも。

え!待って!

まだまだ見足りない私はつい、
「もう少し見たいのですが….まだ閉めないでもらえたらうれしい」などと粘ってしまった。
聞けば「朝6時からオープンしているんですよ。骨董好きは6時がスタートです」とのこと。

1つ1つ古い歴史と人の物語が詰まった大切な商品。片付けるにも2時間以上かかるそうで、
だからいつも11時ぐらいから片付けを始めてしまうらしい。

骨董。
それは希少価値のある古美術や古道具のことを指す。
何に価値があるのか。残されるのか。または捨てられるのか。
正直私はその道のプロではないからわからない。

だけど、目に触れて触って、心の何かが動くとき。
値段のこともありつつも、その動いた何かを頼りに私は骨董を手にする。
それは古いから価値があるのではなく、
その古いもののなかに自分が知らない新しいものを発見することに価値があるからだ。

 

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今回の骨董市で私が手にした2種は、小皿と牛若丸(?)の置物(写真下)だった。

 

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小皿は料理を盛り付けよう。ポテトサラダなんか良さそう。(色彩からして)
牛若丸は寝室の窓際にそっと。根室の海で拾ったぽってりとした石ころのそばに鎮座しています。

モノが時代を超えて循環するその不思議さと縁を思った。

次訪れるときは、もうちょっと早起きを頑張ろう。

富岡八幡宮
毎月第1日曜日、第2、第4、第5日曜日 午前6時〜

手描き看板の味わい

2015年08月20日 

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街中を歩いていて看板を目にしない日はない。蕎麦屋、とうふ屋、ラーメン屋、銭湯、駄菓子屋、喫茶店、パン屋、コンビニ、文房具屋、自転車屋、不動産屋、コインランドリー、ファミリーレストラン。
その多くは屋号を知らせ、そこで扱う商品やサービスを宣伝するための広告であり、情報を伝えるためのなんらかのメッセージである。

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看板の歴史は日本では飛鳥や奈良、藤原京、平城京の時代にさかのぼるといわれ、市などでは店で扱う商材を図案などをもちい、目印として店先に掲出するのが義務づけされたのが最初だという。
その後平安京の時代に1枚目のあめ屋のようにはた、のぼり、のれんが使用されるようになり、鎌倉時代になって木の立て看板が登場する。当時は文字が読めないことも多く絵で示すことが主流で、その後、現在に多くみられるような文字がじょじょに広まっていった。木や竹に木彫りの絵や文字をほどこした表札などが登場、安土桃山時代末期になりそれらを称して”看板(ミせるためのイタ)”と呼ぶようになったという。

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看板の多くは建物の外装と一体になっているため、閉店後でも人はその前を通れば看板に書かれた文字を目にすることになる。24時間情報はつねに伝播していく。たとえ人が寝静まった深夜であってもその役割を効果的に発揮することが可能だ。

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あまたある看板の中で、個人的に一番その効果を直接的に発揮する力をもっているのが、手描き文字が書かれた看板だと思う。デザインを凝らした現代の看板や広告にくらべれば、いかにも素朴なものだが、上の「うなぎ」の文字のように文字を図案化する工夫が見られるなど、見ていて飽きないし、とにかく印象深い。

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今では規格化された文字、既成のフォントを使った看板が中心だが、時折、街中で見かける手描き文字で書かれた看板を見ると、必要がなくても、ついついその文字を目で追ってしまう。
書店や雑貨屋でときどき見かける手書きのPOPにも、その文字が印象的に描かれていたら、つい最後まで読んでしまうことがある。その宣伝としての割合を果たす力は、パソコンの文字で出力されたPOPよりも効果的だと思う。

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看板職人が描いたであろう、手描き文字の看板の地の色は白いであることがほとんど。白地にセリフ(線の端に撥ねや”ひげ”など装飾のある文字)の黒や赤の文字は、デジタル全盛のいま、一見して不器用な佇まいだが、文字に個性があり、力強い。現代の感覚では通り一遍の意味では決して美しいものではないかもしれないが、ある種の郷愁を誘う魅力がある。

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大阪・十三駅前の荷物預かり所の看板。駅にコインロッカーなどがない時代には、不動産屋を兼ねたこれら荷物や自転車を一時預かる「預り所」は各地にあったというが、実際に見たのは初めて。ほんの数週間前のことだ。

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これも1枚目のあめの俵屋と同じく、先日の出張先である石川県金沢市で見かけたもの。手描き文字の看板をもった建物は和風建築であることが多く、しかも、現在では商店としての役割を終えたものがほとんど。
傘屋、はき物屋、おもちゃ屋、家具店、金物屋。コンビニやショッピングモールのない時代、看板にかすれた文字で描かれた屋号のみが、かつてこの建物とそこで暮らす人が街とどのような接点をもち、暮らしのなかでどのような役割をもっていたのかをいまに教えてくれている。

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看板や貼り紙は、屋主からのメッセージであると同時に、”四万六千日(夏の日に設定された観音菩薩の功徳日)”のように季節を知らせる役目も担っている。

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〆は建物自体が看板のような造りをした「看板建築」の写真を。
道路に面した表側のみにタイルや銅板などで意匠を凝らしたこれらの建築は、関東大震災後に東京の下町を中心に数多く建設された洋風の外観をもった建物。そのほとんどが店舗併用住宅で、屋根裏部屋を持った3階建て、仕事場と住まいが近い、という昔ながら用途をもったものだった。
都心に立地することから80年代のバブル期にその多くは取り壊され更地になり、、新しい建物が建ち街並も一変した。今でも東京神田や月島、人形町あたりを訪れればみることができるが、写真の看板建築は神田須田町のもの。隣はコインパーキングになっているが、ほんの1年ほど前までは同じような看板建築が建っていた場所。

昔ながらの看板にはたんなるノスタルジーではなく、すっと情報が目に飛び込んでくる人の目を惹く強いメッセージ性がある。誰かに何かを伝えるという意味においてそれらをよくみることは、現代でも多く参考になると思うのだが。

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Authors

加藤 孝司加藤 孝司
水島 七恵水島 七恵
野本 哲平野本 哲平