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民具木平の市場調査 第1回 P箱 ”plastic container”

2015年06月30日 

今回から参加させていただくことになったこのダイアリーでは、期日さえ守ればあとは自由という、かなりユルい縛りの中でなにをすべきかと考えた末、(書きたいことがないわけでもないのだけれど、)得意じゃない作文に頭を抱えて他の業務に支障が出るのもうまくないし、書くのが面倒くさくなって続かなくなるのもアレなので、日常業務と並行して無理なく続けることができそうな表現の写真を中心としたものにしていこうと思う。

日常的に目的の有無に関わらず撮り溜めている写真や、このダイアリーのために撮影した写真等、自分の脚を使って得た写真を用い、毎月1テーマにユルくしぼって、タイポロジーや考現学などの真似事のようなことを、ダイアリーの個人的な目的でもある ”民具木平の市場調査” を兼ねつつアーカイヴしていけたらと思う。

すでに写真自体に多分に私的な視点が入り込んでしまっているはずなので、必要以上の言葉を用いての批評や説明も特には加えず、非言語ゆえの間口のひろがりがでてきたらいいなと思う次第です。

さて、第一回のテーマはP箱です。P箱とはわかりやすいところだと酒屋さんでよくみる一升瓶やビール瓶等を流通させる際に用いられる通い箱が代表的でしょうか。入手の容易さや強靭な構造、耐候性、形態と色彩の美しさ、工業製品としての完成度の高さ等、優れた機能とデザインゆえ、庭先の盆栽の台、子供部屋、角打ち等、都市のあらゆる場面で目にすることができます。

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A Tale of Plant 

2015年06月25日 

幼い頃、例えば学校の帰り道。

シロツメクサで髪飾りを作ったり、
ツツジの花の蜜をよく吸っていたことを今でも鮮明に憶えています。

ずいぶんと大人になってしまった今も、ふいにシロツメクサやツツジを目撃すると、
やってみたいな、という衝動にかられることがよくありますが、
結局のところあの当時のように、無防備に、野生に還ることはなかなかに難しい….ものですね。

生物(せいぶつ)。
当たり前ですが、植物も動物も人間もナマモノです。細胞はつねに生まれ変わり、
ひとときとして同じ状態がないという、この怖さ、美しさ、切なさ。
という(私が勝手に作り上げた)前提のもと、そんなナマモノで不確かな自分という人間に、
子供の頃よりはマシとはいえ、日々恥ずかしいくらい振り回されている私は、
同じくナマモノである植物や動物と「暮らす」ことは、実はあまりイメージできずに生きてきました。
つまり、自分というナマモノで精一杯という毎日….。
だからこそ植物は、ときどき触れて過ごすことが心地よかったんだと思います。
 IMG_4072

 

 

ところが、そんな私がいま、植物との暮らしを大切にしています。
この変化に自分自身びっくりしているのですが、とにかく今の私に植物は欠かせない存在なのです。
最初に惹かれたのは、ガーベラでした。
白、黄色、ピンク、オレンジと、色とりどりのガーベラをよく飾っていたのですが、
人と同じように相性があるようです。
ガーベラとの相性が悪かったとは今でも思ってはいないのですが、
我が家はいつの間にかこの写真のように、
まるで腐海の森(by 「風の谷のナウシカ』)のような雰囲気が漂ってきました。

そうなったきっかけは、行きつけの花屋さん(代々木上原)にあります。

「きっと七恵ちゃん、好きだと思う」。
信頼する友人から教えてもらって、初めてお店に足を運んだとき、
何よりもそのミニマムな植物の数に驚きました。
でも、だからこそそのひとつひとつに見入ることができたのです。そこの植物たちがみな端正な顔立ちをしていました。そして色気がある。
 以来、その花屋さんに、週末お邪魔するのが私の習慣でもあります。
「今日はどんな出会いがあるのだろう」。
行きは期待を胸に、帰りは好きな人と一緒に帰るような気持ちになりながら、
自宅から2駅ある代々木上原に自転車で通う日々なのです。
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余談ですが、神谷町にあるCURATORS  CUBE。

毎回素敵な視点で様々な展示が行われているこのCURATORS  CUBEにて、
つい先日まで行われていた「SVENSK curated by dieci」にて出会った
ガラス作家のCarina Seth Andersson(カリーナ・セッツ・アンダーソン)の作品に、
私はきゅんとしました。

こうして植物に対する眼差しが私のなかで変化したことで、日常はもちろん、
こんな風に作品と向き合うときに、どのように作用していくのか、それが今後の楽しみでもあります。

 

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眠ったような町

2015年06月20日 

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瀬戸内海沿岸のとある町。JRの駅からほど近い場所に眠ったように取り残されたエリアがある。

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建物はあるのにそこに暮らしている人の気配がない。車のエンジンがかかっているのに、乗っている人の気配がない。時々通りですれ違う人もどこか人見知りだ。

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近くには小さな鳥居をもった神社があった。鳥居の両脇には見事な狛犬が出迎える。

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鳥居をくぐると参道の両脇には商店の名残が。お店の看板はあるが、今はもう引戸も閉ざされ営業をしている痕跡もない。
かつてここは海上交通の要所として栄えた町。JRの線路をはさみ、見事な石垣をもったお城が今も鎮座する。

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参道には所々建物が廃棄された跡なのか、コケが繁茂する空地も見受けられる。路地や商店からは今にも人が現れてきそうな気配がある。

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参道の中程でこのまま先に進んでいいものか、帰り道を確認してみたくなる。この先が行き止まりであるかのようにとても不安になる。

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参道を抜けるとそれほどの距離は歩いていないはずなのに、今来た道が遠くにみえ、そして先ほどくぐったばかりの鳥居も遥か遠くに小さくみえるだけだ。
参道には、今はところどころ破れてはいるが、屋根がかけられていた痕跡が。
かつてここも多くの参拝者でにぎわったのだろう。

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神社の境内は意外と広い。もちろん人っ子一人いないのだが、白ネコが一匹出迎えてくれた。カメラのレンズをむけると少し後ずさりをしたが、危害を加えるものではないことが分かったのか、ちょうどよい距離感をたもって立ち止まってくれた。挨拶がわりにシャッターをきらせてもらう。

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境内を横切る動く影が目の端に見えたと思い振りかえると、毛もふさふさな洋ネコさんがこちらを興味深げにみつめている。野良だろうか?毛並みもよく、丁寧に整えられているので、まだ若いネコだということが想像できる。
ここは人よりもネコの多い町なのだろうか。ネコが居心地が良いところは、きっと人の気持ちもよいはずだ。

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神社の外にでてみると、古い民家の向こう側に真新しいマンションもみえることに気がついた。
眠ったような町だが、人の生活の気配もする。すこし安心した。

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町角の床屋さんは今はもう営業はしていないが、三軒長屋の前には真新しい自転車が置かれている。家の中からは生活の声が聞こえてきたような気がした。

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そしてぼくはなんとなく、これはどこかでみた風景だなと思ってきた。

ぼくの好きな本に漫画家のつげ義春のものがあるが、どこかこの瀬戸内の町も70年代につげ義春が描いた世界観と共通するものがある。そう思った。
古い鳥居、瓦屋根、すすけた板塀、海へと続く先のみえない曲がりくねった道、錆びたトタンの看板。人影のような人の姿。

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ぼくが旅をしていつも探しているのが、一度も見たことがないはずなのに、いつか見たように感じられる風景だ。この小さな町にもそんな見たことのない大切な風景が、眠っているように、だがはっきりと息づいていた。

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Authors

加藤 孝司加藤 孝司
水島 七恵水島 七恵
野本 哲平野本 哲平