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Diary

つながりとしての現代コーヒー考

2015年05月05日 

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急遽訪れた広島への目的は先週オープンしたばかりの二軒のコーヒーにまつわるショップを訪ねること。
一軒目は、広島市宇品にオープンした『u-shed』(広島県広島市南区神田1-5-33)。地元の人たちが気軽につどうことのできるお店にしたいという思いを込めて、u=ujina、shed=小屋というショップ名にしたという。

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オーナーは東京を拠点に活躍していた元LittleNap COOFFEE STANDの人気女性バリスタと写真家の夫妻。職人さんや仲間たちとともに数ヶ月かけて改装した2階建ての昭和建築の自邸1階部分を利用した広々とした店舗は、彼ら二人の生活の場とゆるやかにつながっている。
お店で供されるのはコーヒーと、地元広島の特産品であるレモンでつくったレモネード、自家製クッキー、アイスクリーム、そして植物、雑貨、アンティークなど。

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宮島口にある珈琲豆焙煎所で焙煎された豆を使って淹れるコーヒー系のドリンクはこの店の中心的なメニュー。それは次回楽しむとして、夏日を記録したこの日、ぼくがオーダーしたのは甘いシロップに漬け込んだ皮まで美味しいオーガニックレモンを使ったレモネードと、「パンダ」と「フランボワーズ」のダブルアイスクリーム。パンダはほんのり笹の香りのする、いずれも爽やかな甘みのある美味しいアイスクリームだった。

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パンダじゃないけれど、カウンター裏にはグリーンが置かれたコミュニティガーデンがある。そこに並べられた原種の蘭などを中心とした植物は、今後購入することができるようになるという。
デイリーな飲みものと、素朴だが逞しい魅力をもった植物たち。素敵な組み合わせだと思った。

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産地にこだわったフレッシュなコーヒー豆による爽やかな酸味とフルーツのフレーバーがあるコーヒーが今の気分?だけど、シアトルのシネッソ社のエスプレッソマシンで淹れるu-shedのコーヒーはどんな味わいなのだろうか。次回はぜひ楽しみたい。

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もう一軒。東京の三軒茶屋を拠点にコーヒーにまつわる人気店を展開する自家焙煎珈琲ショップ「OBSCURA COFEE ROASTERS HIROSHIMA FUKUROMACHI」。
昨年、ちょっとした縁があり、彼らと知り合った。そしてぼくのもうひとつのふるさとである広島に、彼らにとって新しい試みとなる地元広島での念願のショップを広島市内の繁華街、袋町にオープンさせた(広島県広島市中区袋町3-28)。たまたま福岡に立ち寄っていた僕は、その帰り道、新幹線のぞみ号を広島で途中下車し、立ち寄ったというわけだ。

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彼ら自身で内装の設計を手がけたという店内は、クリーンでミニマル。だがアンティークの棚やラグ、地元広島のマルニ木工の家具が温かみを与えている印象に残るショップだ。
店内カウンター内には焙煎機が置かれ、ショップでコーヒー、珈琲豆販売として提供される豆が豆の状態を繊細に見極めながら焙煎される。
訪れたこの日も、オープンと同時に店内は珈琲ドリンクを求めるお客様で大賑わい。ゆったりとした店内でおもいおもいに時をすごす人、テイクアウトで楽しむ人、店先の路上でコーヒーを片手に談笑する人、早くも地域の人々の暮らしになくてはならない”場所”になっていた。

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コーヒーは飲みものであると同時に、いろんな意味でローカルを代弁するカルチャー的な側面をもっていると思っている。近所の喫茶店でのむコーヒー、ふらりと散歩や仕事の合間に立ち寄ったお店でのむコーヒー、産地のこだわりの珈琲豆で淹れるコーヒー、いわゆる第三の波といわれる気軽に立ち寄れるコーヒースタンドでのむコーヒー、家でのむドリップコーヒー、デイリーなインスタントコーヒーにだってかけがえのない大切な日常があるハズだ。

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コーヒーは身近なものであるだけに、誰もが平等に(時にあまり並ばずに)コーヒーを楽しむべきだし、うんちくよりも前に、誰と、どのお店で、どのように時間を楽しむのかを大切にしたい。

コーヒーはあまりのめないぼくだけど、コーヒーにまつわるカルチャーには興味がある。そういった意味では、良質な豆で丁寧に淹れるコーヒー、日常を楽しんでもらいたいという思いで淹れられるコーヒーには、いれる人、のむ人だけでなく、そこに集まる人と人とをつなげる役割があるように思う。
そんなコーヒーが縁となって、二つのショップのオープン直後のタイミングで大好きなこの地に帰ることができた。
ぼくたちの”今”をめぐるそれぞれの文化的背景をもち、なにげない小さなアイデアをかたちにしていくヒントに満ちたのみものといった側面が”現代コーヒー”にはあるのではないだろうか。

 

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Authors

加藤 孝司加藤 孝司
水島 七恵水島 七恵
野本 哲平野本 哲平