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Diary

うつわの性格

2015年01月28日 

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須田二郎さんの個展、「木のうつわを食卓へ」を観に、ギャラリー無垢里(1月23日〜28日まで)へ。
相も変わらず今回もどれにしようかと……、思いっきり悩む。いつも「サラダを入れたい」「パン皿にしたい」など、行く前は使う用途をあれこれ考えて足を運ぶのだけれど、いざ須田さんのうつわを目の前にすると、そういう思考が吹っ飛んで、ただただ、面と向き合って、「お世話になりたい」と素直に思う一皿を選ぶのみ。

人に性格があるように、どうやらうつわにも性格があるようだ。ひとつひとつ個性に富んだ性格がにじみでている須田さんのうつわは、やっぱり面と向き合って対話して、触れないと、相性がわからない。

 

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天然酵母のパン屋さん、自然農法によるお百姓さんを経て、山できこりをしながら独学で木を削り始めたという須田さん。森と人の営みを想い、作品につかう木は、雑木林などで不要になって切り倒された木や、森の間伐材を使っているそうだ。

“人がコントロールしたカタチではなく、持って生まれた木の輪郭をそのまま整えて仕上げた。”

作り手としての須田さんの背景を知れば知るほど、私はそう想えてならなかった。木は生きている。だからこそ、うつわひとつひとつの性格がくっきりと私の目の前に立ち上がってくるのだ。

 

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使いはじめは、オイルを馴染ませた料理に使うと良いそう。サラダやパスタなどを入れると、オイルが木に馴染み、木肌はしっとりして、色は少しずつ深みを増していく。 その後はシチューやカレーを入れても、木にシミ移りづらくなるという。

ちなみに私は迷いに迷った末、アカシアの木でできた大皿を購入。決め手は、ちょっとした私の失敗も許してくれそうな、懐深い性格をしていたから。

 

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店内にはずっと須田さんを追いかけてきたという、写真家の中村ナリコさんの写真も展示されていた。
「中村さんとお知り合いなんですか。じゃあ今度ご一緒に、工房に遊びに来てください」。
お店の前で、淡々と慣れた手つきで旋盤機を回していた須田さん。うつわと同じ、ふくよかな優しさに包まれた人だった。

 

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Authors

加藤 孝司加藤 孝司
水島 七恵水島 七恵
野本 哲平野本 哲平