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Diary

コンテナと私と東京

2014年11月11日 

写真 1

とある企画で、コンテナを背景に被写体を撮影したくて、都内の埠頭エリアを車で走りながらロケハンした。

普段馴染みのないコンテナ。

何をコンテナの理想とするか、ゴールがあるようでなかった。だけど直感的に見つけたら「わかる」はずだ、とも。スタイリストとともに、これは違う。あれも違う。といくつかの埠頭を巡りながら、ふと、「このコンテナのなかには何が入っているんだろう?」と想像した。輸入品ならば、雑穀や大豆などの農作物だろうか。日本人が大好きなチョコレートの原料でもあるカカオ豆もきっとあるに違いない。輸出品であれば、コンピューターやカメ、車の部品などかな……?

無機質で情緒もない。 堅く閉ざされたコンテナの中身にちょっとドキドキしながら周辺を巡った。

写真 3

こうして2時間ほど巡っても、いっこうに理想のコンテナは見つからない。私は次の予定が迫っていた。するとほかの撮影スタッフがグーグルマップを使いこなしながら、ある一帯を指し示してくれた。

「絶対にここだ!!」

喜び勇んで向かった先に、理想とするコンテナはあった。等間隔に並んだコンテナ群。実に男前。まるでテトリスを彷彿とさせる佇まいが美しい。自分の知らない東京の姿がここにある。

写真 3

新陳代謝の激しいこの街は、今日はあるけれど、明日はないかもしれないものに溢れている。このコンテナだって、後ろに少し映り込んでいるクレーン車でひとつひとつ汲み上げられたり、下げられたりしながら、まるでパズルのように日々形を変えているのだ。それを思うと、まるでこの街の姿と同化して、切なく思えてきた。コンテナの外観がまた、東京らしいのが切なさを助長する。

コンテナを想い、東京を想う。

ところで、あなたにとっての東京の風景とはなんですか?

ちなみに後日本番を迎えた撮影は、無事に終えることができました。
被写体はコンテナ、つまりは東京の切なさが似合う最高の女性でした。

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Authors

加藤 孝司加藤 孝司
水島 七恵水島 七恵
野本 哲平野本 哲平