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Diary

等間隔フェチ -Contextualized Objects vol.2-

2014年10月31日 

我が家には、衣替え用の衣装ケースが4つほどある。
それぞれの引き出しの取手部分にガムテープにマジックで「冬服1軍」とか「2軍」などと書いてあります。
4つめのケースには「捨てる予備軍」という名前が書いてあり、次のシーズンまでに着なかったらそのボックスの中身をまるっとゴミ袋に入れて、捨てます。どんなに思い入れがあっても確認せずにドサっと。確認すると、やっぱり・・・という事になるのが関の山なので、キッパリお別れをします。
本当はリサイクルに出したりすれば良いのだろうけど、僕の中では物との清い別れも「ほら、お前は使わなかったじゃないか」と自分に戒めるために大切な行事としています。

前回書いた「物の生き様」というテーマがどうやら性に合っているようで、ひとまずネタが尽きるまで
これで連載をしてみようと思います。マークスさんはやはりデザインメーカーさんですし(笑)。

 

僕は物を等間隔に並べるクセがあります。
それが僕だけだと分かったのはオランダ留学時に友人が下宿先の部屋に入ってきて、
「ケンジの部屋はいたるところで物が等間隔に並んでいるな。」と言われたの時でした。

雑貨から日常使う殺虫剤の缶とかまで等間隔に並べると生活観がなくなって、どことなくオブジェ的な感じに見えるので、いつもそうしています。棚の中は仕事で使うペンとかが並んでてこんな感じ。DSC02278

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いつも使うものを敢えてスペースを取って並べて展示しておくと、毎回そこにしまえば良いし、生活観のある物でも生活観が一定に消えるので、おすすめです。DSC_0033.JPG

 

外出してもついついそういう光景があると写真を撮ってしまうらしく(笑)。
これは友人のお宅にお邪魔して、飲み会が終わったあとにグラスを洗って拭いて並べてる人がいたので。
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DSC_0283名古屋名物ういろうも、食べる前に等間隔に並べてみたけど、とくに美味しそうにも見えず、ただ食材がこうやって並んでいる光景はあまりないのでなんか奇妙な感じがしました。

 

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木材屋さんの壁に飾られていた絵ですが・・・換気扇も絵として見てくれ!ということでしょうか(笑)。

 

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韓国の路上には、見事にグレートーンでまとめられたプランター(全部枯れてました)が良い感じで並んでます。これは今見ても非常に絵になっていて、等間隔フェチ心をくすぐります。

物の使い方以前の「置く位置」。
それひとつ取っても意外に楽しみ方は広がるものです。
是非目の前にある物、等間隔に並べて見てくださいね。

孤独が和らぐひととき

2014年10月25日 

心惹かれる作品に出会うと、自分のなかの孤独が少しだけ和らぐような気がします。恐らくそれはきっと、作品と私との間に対話が生まれるからなのでしょう。あくまで個人的な目線ではありますが、対話が生まれる作品の一部を、ご紹介します。みなさんにとっても素敵なご縁になりますように。

写真 1

田名網敬一「夜桜に散る宵闇」展
2014.10.25(土)〜12月13日(土) NANZUKA

過去に何度も取材でお世話になっているアーティストの田名網敬一さんの個展が今日から始まっている。教え子でもない私が「先生」とお声がけしても笑顔で応えてくださる「田名網先生」。

「〜東京の街全体が、そういう闇の通路が少なくなっている。また僕は人間の想像力や思考力というのは、闇が一番掻き立ててくれると思っているから、昔に比べて今の人は、想像力も鈍くなっているんじゃないかな。」

編集と執筆を担当しているフリーペーパー『TOKYO PAPER for Culture』第四号に出演いただいた際、先生はこう述べていらっしゃった。闇に浮かぶめくるめく世界。先生の頭の中を覗き見するような、個展になっているに違いない。

写真 4

酒のある風景
信濃八太郎 田沢ケン 山崎杉夫
2014.10.28(火)〜11月2日(日) GALLERY DAZZLE

ちょうど現在、お仕事で信濃八太郎さんに絵の依頼をしています(写真右が信濃さんの作品)。信濃さんの描く線が好きです。モダンで情緒的で、何かが自分の心のなかに立ち上がってくる。絵は私の思考を自由にさせてくれる。この展示もワクワクするし、仕事で依頼している絵があがってくるのも本当に心待ちにしています。

写真 2

グラフィックデザイン展<ペルソナ>50周記念
2014.11.5(水)〜27(木) ギンザ・グラフィック・ギャラリー

粟津潔、福田繁雄、細谷巖、片山利弘、勝井三雄、木村恒久、永井一正、田中一光、宇野亜喜良、和田誠、横尾忠則。日本が誇るグラフィックデザイナー11名による、伝説の展覧会「ペルソナ」展(1965年銀座松屋)の作品を、再構築して見せる展示がギンザ・グラフィック・ギャラリーで行われます。時代を超越したデザインの力と、表現者としての彼らの躍動に真っ直ぐに向き合いたい。いつの時代もデザインとは、人と社会を結びつける重要な役割を担っているから。

写真 3

映画『0.5ミリ』
2014.11.8(土)〜有楽町スバル座ほか全国順次公開

最近、仕事で『0.5ミリ』の監督・脚本を務めた安藤桃子さんにお会いしました。チャーミングなお人柄に加え、本当に聡明な女性でした。時代を、人を、鋭く厳しくそしてあたたかく刻んだ196分。誰にとっても自分事になる映画。ぜひ劇場で観るべき作品です。

革と川

2014年10月20日 

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浅草で革をマテリアルにしたものづくりのプロジェクト「TOKYO L」。その第一回のプロトタイプ展が、10月24日(金)から26日(日)までの三日間、浅草にほど近い隅田公園リバーサイドギャラリーで開催される。

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古くから歓楽地として賑わう浅草は、140年以上の歴史をもつ「靴と皮革製品のものづくりの街」でもある。

街を歩けばこのエリア全体で、多くの問屋、工場、加工所、メーカーなど、革に関連する施設をみることができる。エリアによってその特色も異なる。靴製造が中心の浅草北部と、革をマテリアルにしたファッションやバッグなどアパレルに特化した浅草南部。同じ浅草の革であってもエリアによって、異なる表情、特徴をもっている。
また、蔵前エリアには小さなメーカーやアトリエ、小売りも可能な革を扱う問屋が点在し、今戸や花川戸、橋場などリバーサイドを中心とした浅草北部には、町工場や比較的大きなメーカーがその拠点を構えている。

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TOKYO Lは、そんな浅草から世界に向けて皮革製品がもつ魅力を、まったく新しいアプローチで提案するプロジェクトだ。デザイナーやクリエイターが、革をマテリアルに何かつくりたいと考えたときに、真っ先に相談に訪れることのできる、窓口のような存在を目指している。とにかく浅草は、革に関するプロが集まっている街なのだ。
TOKYO Lの名称は、ぼくたちが暮らす街であるTOKYOと、革を意味するLeatherの頭文字であるアルファベットのLに、フランス語で女性を意味する「ELLE(エル)」をかけ合わせた。日本の中心である東京から、男女の区別なく親しみやすい皮革製品を開発し、それを世界に発信することを目的として名付けている。

プロジェクト全体を通して、革の魅力を再発見するとともに、浅草の革産業を活性化し、革をより現代のライフスタイルに身近なものとする目的もある。

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今回「TOKYO L」のプロトタイプ展には8組のデザイナー、建築家らが参加した。

参加クリエイターは、まず浅草エリアの革製造業者と革問屋を案内し、革の種類やその特徴をプロからレクチャーを受けるなど、革という素材がどのように扱われているのかリサーチを展開した。革という素材への理解、そしてそれを製造する職人やメーカーの仕事から、クリエーションにおけるインスピレーションが得らることにつなげる、具体的な試みだ。

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訪れた革問屋では、革という素材がもつ、多様な可能性を感じた。鮮やかな色に染めあげられた一枚革や、布のようなしなやかさをもった革、そしてプリントがほどこされた、テキスタイルのような革もある。
天然素材である革は、いにしえの時代から人間の生活に身近なものであった。
そして毛皮と異なり、食肉用に屠殺されたものの、最後の残りものがなめされ、革という素材になる。現代では牛や豚は革をとるために屠殺されることはほぼない、実はやさしい素材である。
動物の「皮」に、人の手が加わることで「革」になる、とは今回のリサーチで特に印象に残った言葉だった。

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参加作家による革の可能性を拡張する自由な発想を、具体的な製品やかたちとして実現するのは、このエリア内で実際に皮革関連製品を製造企画するメーカーやファクトリー。
この街の革職人やメーカーがもつ確かな技術と豊富な革の知識が、デザイナーのアイデアと結びついたときに起こる化学反応が、今回のプロジェクトの大きな魅力になるに違いない。

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今回、プロジェクトのビジュアルにもこだわった。フライヤーなどの印刷物は、グラフィックデザイナー、橋詰宗氏が担当。写真は杉山豪州氏にお願いした、
メインビジュアルは、今回のTOKYO Lの恊働企業で今戸に本社がある富田興業の倉庫で撮影した。作家のアトリエのような雰囲気で、まるでレンブラントの光の陰影をもった、日常のなかにあるミステリアスさがうまく表現されたものになったのではないだろうか。

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出来上がったフライヤーがこちら。浅草の革が並ぶ棚の黒を背景に、作業をするアーティストの真摯なまなざしが、伝統的な革という素材とデザイン、クラフトとの関係性をイメージさせる。

今週末の展示に向けて、各クリエイターの作品制作も大詰めを迎えている。

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上の作品は、江口宏志(UTRECHT / 書店オーナー) x トートーニー(はきものと革もののブランド)のランプ作品。

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ランプシェードやソケットカバーの形を複数スタディ。職人さんのアトリエでのミーティングでは、クリエイターの頭と、職人の手が瞬時に合致し、試作に移れるのが素晴らしい。手と頭の融合が形を生み出すシーンを数々目撃した。

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野本哲平(民具木平/デザイナー) x 富田興業(革の卸売業)は、浅草の革を使った一枚革の自転車用サドルつくりに取り組んでいる。ここでは墨田区の金属加工企業に協力をあおいだ。最新の3D加工の掘削技術を用いて、通常高価になってしまう金型を製作した。ハイテクとクラフトの融合という、東京の下町がもつ伝統と最新の工業技術が結集して製品づくりに取り組んでいる。

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以前このDiaryでも紹介した猫と小型犬用のテント「#catstudyhouse」のデザイナーの倉橋孝明(41世紀 / デザイナー) 氏は、あふれるアイデアを 靴郎堂本店(クツ創家)とともに、子供が入れる大きさの靴型革テントを考えついた。

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江藤公昭(PAPIER LABO. / デザイナー) x Musubi design製作所(革製品)は、即製品にできるようなクオリティをもったカードケースとドキュメントケースを実作。今回、現代印刷のたぐいまれな才能を発揮する江藤氏と、モダンで実用的な革製品を手がけるMusubi designとの恊働により、紙と革、そして印刷が結びついた作品が生まれた。

今回の展示作品の一部にはプライス(参考価格)がつく。プライスが未定の作品も製品化を前提に構想されている。製品化を目的としたプロジェクトだけにそれはしごく当たり前なことだった。
実験的で実践的な浅草の革をマテリアルにしたプロダクトのプロトタイプ展。ぜひ会場に足を運び新鮮なクリエーションを体験していただきたい。

 

8組の参加作家および恊働企業:

荒木信雄(The Archetype / 建築家) x クラフトバンク(シューズブランド)
伊東裕・劔持良美(SOL style / デザイナー) x スピングルカンパニー(レザースニーカー)
江口宏志(UTRECHT / 書店オーナー) x トートーニー(はきものと革もののブランド)
江藤公昭(PAPIER LABO. / デザイナー) x Musubi design製作所(革製品)
倉橋孝明(41世紀 / デザイナー) x 靴郎堂本店(クツ創家)
沢田猛(kamina&C / デザイナー) x キャライノベイト(アロマ商品の企画・卸・小売り) x 久保柳商店(革の卸売業)
曽田耕(Ko / 靴作家) x ブティックヤマダ(革の卸売業)
野本哲平(民具木平/デザイナー) x 富田興業(革の卸売業)

広報物アートディレクション:橋詰宗
写真:杉山豪州

会期:2014年10月24日(金)〜10月26日(日)の三日間
会場:隅田公園リバーサイドギャラリー(隅田公園内・吾妻橋フェリー乗り場近く)
住所:東京都台東区花川戸1-1 B1
時間:10:00〜17:00
入場無料
http://tokyo-l.com
※「TOKYO L」は、浅草を舞台にしたものづくりのお祭り「エーラウンド」の一環として開催されます( https://www.facebook.com/A.ROUND.ASAKUSA )。10月26日(日)には、参加クリエイターとパートナーによる、トークイベントが予定されています(詳細は後日お知らせします)。

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