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Diary

この夏のアート体験

2014年07月20日 

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芸術の秋というが、今年の夏は日本各地で開催されるアート展が面白い。
今回は、この夏に行なわれるアート関係の情報をお届けしたい。

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まずは、香川県丸亀市にある、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館で開催中の「拡張するファッション」展(9月23日まで)。
こちらは、この春、水戸芸術館で行なわれたひとつのコンセプトをもった複数の作家が参加するグループ展の巡回展。
ファッションとタイトルにあるが、一体のマネキンの展示もないユニークな現代ファッション展だ。
原初的な、プリミティブなファッションへの衝動が、ある意味アートと同義であることが体感できる、アート展としてみることができるファッションをテーマにしたエキシビションだ。
(上の写真は、2013年夏、大竹伸朗展開催時。美術館の屋上には大竹の作品となる宇和島駅のネオン管が取り付けられた)

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この写真はこの春、水戸芸術館で行なわれた「拡張するファッション」展の模様。丸亀市猪熊弦一郎現代美術館での展示についても、次回以降、こちらのDiaryでご紹介したいと思う。

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その水戸芸術館では、8月2日よりアーティスト鈴木康広による大規模個展、鈴木康広展「近所の地球」が開催される。今回の展覧会は、<まばたきの葉>など、彼のこれまでの代表作と新作を同時にみることのできる、これまでにないスケールの大きなエキシビション。身近なものに対する気づきを、独特の感性で、大人から子供まで、人々に共有可能なかたちで提示してみせる鈴木康広の作品群。もっとも身近にあるものでありながら、あまり意識することのない「地球」という存在に対する問いかけを本展ではみることができるだろう。
今回のエキシビションでは芸術館の外にも飛び出し作品を展示するというから、こちらも楽しみだ。

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広島市現代美術館では、第9回ヒロシマ賞の受賞者である、コロンビアの女性作家、ドリス・サルセド展が開催中だ(10月13日まで)。サルセドは、人間における差別や暴力などの歴史を悼む作品を多く手がけ、2007年に発表した「シボレス」では、テートモダンの床に167mにおよぶ亀裂を作り出した。
ヒロシマ賞は、美術を通じて、世界の恒久平和と人類の繁栄を願う「ヒロシマの心」を訴えることを目的に、1989年に創設されたアート分野における国際賞。
本展では美術館の空間をダイナミックにつかった、再生への願いを込めたインスタレーション作品などを展示するという。日本では初となる、サルセドの大規模個展に注目したい。
(写真は、昨年1月に広島市現代美術館で行なわれた「路上と観察をめぐる表現史 考現学以後」展より)

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3年に一度行なわれる、横浜発の現代アートの国際展「ヨコハマトリエンナーレ2014」が、8月1日から11月3日まで、横浜美術館と新港ふ頭展示施設振興ピアで開催される。
今回はアーティスティック・ディレクターに世界的な現代美術家の森村泰昌を迎え、「忘却巡り」をテーマに、「華氏451の芸術:世界の中心には忘却がある」をタイトルにした作品展示が、横浜の街に繰り広げられる。
今年で5回目となる本展は、注目すべき国内外の作家の作品を一同にみることができるアート展として、横浜という歴史のある街の現代的なひとつの風景として、アート好きにはすっかり根づいた感がある。今回も時間をかけて街歩きを楽しみながら、ゆっくりとアートを堪能したい。
(写真は、前回4回目のヨコハマトリエンナーレ2011のメイン会場エントランスの展示風景)。

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そのほかにも、東京オペラシティアートギャラリーでは、2000年以降に登場した24名の絵画作家による「絵画の在りか」展、札幌では札幌で行なわれる初の国際的なアート展「札幌国際芸術祭2014」、川村記念美術館で8月31日から開催される、90年代にイラストレーターとして活躍し、近年世界的な評価も高い美術家、五木田智央による新作を含めた展覧会「TOMOO GOKITA  THE GREAT CIRCUS」、東京都写真美術館で開催中のオランダ在住のアーティスト、フィオナ・タンのエキシビション「まなざしの詩学」(上・写真、9月23日まで)も見逃せない。

最後の写真は、昨年の夏、瀬戸内の島々を舞台に開催された、瀬戸内国際芸術祭2013に出かけた際の風景。
アートとはその作品単体で成立する強い存在感をもったものであると同時に、場所、人、風土、そこで積み重ねられてきた時間など、さまざまな事象との関係性を生み出す触媒ともなるのではないだろうか。アートは、それをみるときの新鮮な驚きとともに、このような「場所」や「あたらしい風景」とも出会わせてくれる。
昨年、瀬戸内の島々で出会ったアートと場所、人とが一体となった素晴らしい体験。この夏もこのような体験ができたならと思う。

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Authors

加藤 孝司加藤 孝司
水島 七恵水島 七恵
野本 哲平野本 哲平