1. TOP>
  2. Diary>
  3. 立花博司『Emerge』作品と私の距離感

Diary

立花博司『Emerge』
作品と私の距離感

2014年05月26日 

12

その作品を理解したいと、自分の知性や感性を総動員して、 作品の内側に、積極的に参加する。近寄りすぎたら見えなくなるし、 “作品とわたし”の距離感は、いつだって難しい。

画家・立花博司さんの個展『Emerge』を鑑賞した。

1

ずっと米国を拠点に活動してきた立花さんが、20年ぶりに日本に長期滞在し、制作された作品の数々。 繊細で豊かな色彩のレイヤー、つまり立花さんのイメージのレイヤーからは、 生活の中で立ち上がっては消えてゆく、意識的、かつ無意識的な輪郭が見え隠れしている。 絡み合う有機的な曲線。そこからこぼれ落ちるどろっとした何か。その何かは、きっと自分の心が抱えているもの、そのものなのだと思う。 観る者が変わったら、作品の中身そのものが変わってしまう。 それぐらいアートとは、自分の生き方が投影されてしまうものだから。

3

11

立花さんは現在、ファッションブランドpetite robe noireのテキスタイルの アートワークに関わっている。 私もそのアートワークを用いた洋服を、日々纏わせていただいている。 ささや かだけれど、自分の生活が切実にアートと関わり合っている実感を持ちながら、 純粋に装う ことを楽しんでいる。

3年前の夏、私はpetite robe noireのブランドムック本制作のため、 デザイナーの阿部好世さん、写真家の森本美絵さんとともにニューヨークを訪れた。 そこで森本さんの友人のひとり として出会ったのが、立花さんだった。 『Emerge』では、そんな立花さんと、この日本で 作品を介して会話できる喜びを噛み締めた。

ちなみに、そのムック本の取材を無事に終えて、ニューヨークから東京に戻る飛行機の座席 にて、立花さんと私は、隣同士だったという出来事は、一生忘れられない。もちろん、偶然! 日本で行われる展覧会に向かうために、立花さんはその飛行機に搭乗していたのだった。

立花さん、今度はまた地上でゆっくりお話できたらうれしいです。

立花博司『Emerge』 〜6月14日まで。

Sprout Curation
東京都江東区清澄1-3-2 6F

petite robe noire
http://www.petiterobenoire.com/

  2014年5月 6月 »
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031  

Authors

加藤 孝司加藤 孝司
水島 七恵水島 七恵
野本 哲平野本 哲平