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Diary

日本最東端の、親愛なるまちへ。

2014年05月10日 

写真

東京を拠点に活動していた友人のジュエリーデザイナー古川広道さんが、
2011年、北海道根室市に移住した。

人と自然との親密な繋がりを感じさせる、古川さんのジュエリー。
そのジュエリーを通じて、古川さんの物事の見かた、捉えかたを垣間見ていた私は、根室というまちで暮らす選択をした古川さんに、深い関心を抱いていた。

オホーツク海と太平洋の間に突き出した根室半島。
その中心地、北海道根室市は、日本で一番早く太陽と出会えるまちだ。
まちの最東端にあたる納沙布岬から、北方領土・歯舞群島の貝殻島までは、たったの3.7km。
晴れていれば、その島の姿を肉眼で捉えることもできる。

緑深い森、数々の湖沼、湿原、美しい海岸線。
変化に富んだ大自然は、鹿や野鳥をはじめ、数多くの動植物の宝庫となっている。

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と、少しだけ、根室の基礎知識を携えつつも、それ以上に、きっとこのまちには言語化できない魅力があるはず。それを知りたい、肌で感じたい。 そう思ったら、いてもたってもいられなくなり、2年前の4月、私は初めて根室に降り立った。

 

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根室の自然は、私に容赦なく語りかけてきた。

例えば、

空と海の青の違いを知って、泣きそうになったり。
暗黒の海に、一筋の光を放つ灯台を見つけては、安堵したり。
いつの間にか踏み込んでいた野生の領域に、背筋がピンと伸びたり。
心とからだを温める、海と森の豊富な恵みに感謝したり。

豊かさとはなんだろう。美しさとはなんだろう。
怖いものとは? 醜いものとは?

このまちの自然は、私自身が個人的に抱えている葛藤と、密接な関係を切り結んできた。

結果、生きることに切実になってくる。

写真-1

また、このまちに惹き付けられたもうひとつの理由、

目の前は北方領土が迫る日本の最果て。つまり、根室は国境都市だ。まち中にロシア語の看板がひしめき、道路標識もローマ字表記のさらに下に、ロシア語が併記されている。日本でありながら、日本ではないような違和感が、このまち特有の美意識と価値観を生み出しているように感じた。なんというか、うまく言葉が見つからないけれど、とにかく不思議な色気のあるまちなのだ。
納沙布岬、春国岱、風蓮湖、温根沼……。そしてこのまちの名所を巡りながら、自ずと古川さんが移住した理由に辿り着いた気がした。来て良かった。心からそう思った。

3泊4日の旅だった。

写真-3

 

今年3月、私は再び根室を訪れた。

昨年から楽しみにしていたお店がオープンしていた。その名は『guild Nemuro』(写真下)。2012年、東京からこのまちに移住した中島孝介さんがはじめたお店だ。中島さんの目線でセレクトされた、生活を楽しく過ごすためのアイテムを扱っている。

写真-2

立ち寄れる場所があるというのは、本当にうれしい。『guild Nemuro』は、まるで灯台のような、根室に暮らす人々にとっての新しいランドマーク的存在になりそうだ。それはもちろん、私のような旅人にとっても。
勝手ながらそう思っている。

3度目の根室は、雪のない、新緑の季節に訪れてみたい。

 

guild Nemuro
〒087-0022 北海道根室市昭和町4-396
tel : 0153-20-4121
営業時間 : 11:00 ~ 19:00(定休日 : 月・火曜日)

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Authors

加藤 孝司加藤 孝司
水島 七恵水島 七恵
野本 哲平野本 哲平